たとえば、家電を購入する時に、高い方が高性能で省電力だったら、迷わず高い方を買う、安くてそこそこの美容院と、高いけれど満足度も高い美容院だったら、高い美容院に行くなど、“ケチった”ことで後悔するくらいなら、堂々とお金を使うことです。節約が身に付いてしまっている人ほど、このような場面では選択を誤ってしまうものです。
ストレスを少なくするためのコスト、生活の満足度を上げるためのコストというのは、はっきりと目に見えるものではないため、疎かにしがちです。しかし、先程の選択のような場面で得られるのであれば、それがとんでもない金額でない限り、お金を出して得ることに躊躇することはありません。
もう一つ、「お金を使わないとお金は入ってこない」という面があります。経営学用語に「先行投資」という言葉があります。これは、将来役に立つであろう物事に金銭や労力を使うことです。一日10個しか作れないパン屋さんと、100万円するオーブンを買ったことで一日100個作ることができるようになったパン屋さんとでは、1年後の収入、さらには10年後の収入はどのくらい違うでしょうか。
また、お金をかけて国家資格を取得したことで、安定的な収入を得られるようになることも先行投資になります。この場合の「お金を正しく使う」は、「価値のある使い方をする」ということです。
お金の使い方を意識することで、無駄な出費、無駄な労力を減らすことができ、本当に使いたい場面で使うことができるようになるでしょう。