このように、3月の時点ではそれほど大きくなかった両者の差も、休校が長引けば長引くほど大きくなるのは避けられません。6月から多くの自治体で学校再開となっても、学習面では「一斉にスタート」といえる状況ではなかったのです。

経済的理由や家庭環境による格差がコロナで深刻化?

これまでも、経済的理由や家庭環境によって学力格差が生じ、年々その差が広がっていることを不安視する声はあがっていました。その根本的な解決が見いだせないまま、3カ月もの休校期間中の学習時間確保は各家庭に任されたのです。

学校にいる約7時間から8時間がごっそり自由時間となり、「学校に行っている時間」という共通した条件がなくなったことが、学力格差がより大きくなる状況を作り出したといえるかもしれません。塾など学校以外の場で勉強する機会のある子と、そうでない子の間の差がより開き、簡単に埋めることが難しくなっているという一面もあるでしょう。

新型コロナウイルスに関しては、第2波、第3波が危惧されています。再度休校になる可能性を考えると、子供の学習時間を確保する準備をしておくことが必要かもしれません。本来ならば、今回のことを教訓に、国や自治体が格差是正を進めるためのシステムを迅速に導入することが望ましいものの、今すぐは難しい面があります。

夏休みなどの長期休暇前に出版される市販のまとめドリルを購入したり、経済的に余裕があれば通信教材を検討するなどして、子供の学習時間を維持する対策しておきたいものです。

中山 まち子