短時間労働者への厚生年金適用を拡大

主婦/主夫にとって就職先としてハードルが低いのはパート・アルバイトですが、これまではパートなどの短時間労働者はなかなか厚生年金に加入する機会がありませんでした。しかし、政府は国民年金だけの短時間労働者も厚生年金に入れるよう、2020年3月に年金制度改正法案を国会に提出、5月に通常国会において「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、6月5日に公布されました(※3)

厚生年金に関わる主な改正内容は、対象企業の規模(現行500人超を2022年10月に100人超、2024年10月に50人超にする)と勤務期間(現行1年以上見込みを2カ月超にする)の2点です。政府は、企業規模要件の見直しで約65万人が厚生年金に新規加入する見込みだとしています。もしこれからパートを探すのなら、厚生年金の有無を判断のポイントにするのも良いでしょう。

厚生年金に入ることで年金の受取額が増える一方、保険料の支払いで手取りは減ります。しっかり稼げば収入は増えますが、所得税や住民税も上がります。このようなメリットとデメリットがあることを踏まえ、働き方を検討してみましょう。

まとめ

専業主婦/主夫の方が年金を増やす方法を見てきました。いろいろな方法がありましたが、基本的な考え方は「保険料をたくさん収めると、年金受給額も増える」に尽きます。そのためには、配偶者にもっと稼いでもらうか、自分も稼ぐか、追加して積み足せる制度を利用するか、です(年金分割もありましたね)。老後の生活を安定させたいなら、何かアクションを起こしてみることをおすすめします。

参考

(※1)「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業年報」厚生労働省
(※2)「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」厚生労働省
(※3)「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」厚生労働省
「みんなの年金額と、老後に必要な生活費はどれくらいか?」LIMO

LIMO編集部