5日に東京都知事選の投開票が行われます。小池百合子知事の再選が有力視されていますが、知事選が終わったことで再度、休業要請などが出る可能性もあります。その場合、急な値動きになることもあり注意したいところです。

今週はまた、6日に6月の米ISM非製造業景況指数、8日に日本の内閣府の6月景気ウォッチャー調査の発表があります。実体経済の動向を探る上で、注目したいところです。

25日移動平均線を割り込むが、200日線ではサポートされる

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初29日に25日移動平均線を割り込み、陰線となりました。翌日以降も、窓を空けて上昇して寄り付くものの、その後は値を下げるという動きが続き、けっきょく、陰線が並ぶことになりました。

今後の展開はどうなるでしょうか。一つ心配なのは、先週の動きでローソク足の実体が25日線を完全に割り込み、むしろ25日線に上値を抑えられるような動きになったことです。

4月の上旬から、この25日線に下値をサポートされるように上昇してきましたが、初めて下抜けました。ただし、下値は200日線付近で反発しています。これも今までしっかりとサポートされていたところです。

先週の動きで5日線が25日線を上から下に抜けるデッドクロスも形成されました。25日線の傾きが、上昇からやや横ばいに転じているのも気がかりです。

今週以降、まずは25日線を回復できるかどうかがポイントになります。25日線を回復できず、200日線も割り込むようであれば警戒が必要です。その場合の下値メドとしては、まずは6月15日の安値(21,529円)となります。しばらくは、このあたりと6月9日の高値(23,185円)の間でもみ合うことも考えられます。

さらに、6月15日の安値を割り込んだ場合の下値メドは、3月19日の安値(16,358円)から6月9日の高値(23,185円)までの上昇の3分の1押し(20,909円)になるでしょう。

下原 一晃