子どもの私立中学受験「想定外のできごと」

ここからは、我が子の中学受験や進学を通じて、予想外のできごとを経験したというみなさんの声をご紹介します。

「学力」だけは乗り越えられなかった受験

「長女が私立中学に進んだので、2つ下の長男も当然のように中学受験をさせるつもりでした。小3から通い始めた塾では常に成績トップクラス。言い方悪いけどお姉ちゃんより数ランク上の学校に受かるだろうと期待していました。ところが、小6の夏に異変が…。

塾から『他の子のスマホをとりあげて、トイレの大便器に突っ込んだ』という報告を受けビックリ。学校では友達に暴力をふるいケガをさせたり、女子の上履きの中にゴキブリの死骸を入れたり、などの問題行動が続くようになりました。

そんなとき担任の先生からひと言。「受験がプレッシャーになっていませんか?」

夫婦で息子と話し合いをしました。そこで聞いたのは息子の偽らざる本音でした。
『ママが希望するランクの中学に受からなかったら、ママに嫌われちゃうかもしれないから、怖い』

確かに息子は、学力の面では「姉より上」でした。でも、「受験生活に耐えうるメンタル」は姉の方が格段に上だったのかも、と気が付いたのです。男の子は女の子に比べると「幼い」ですものね。進学塾は退塾させ、受験はやめることにしました。息子は穏やかな笑顔を取り戻し、問題行動もなくなりました。幼なじみたちと一緒に、地元の公立中学に進学しています」