公的な教育ローンもありますが、どうしても借りるしかないなら、教育ローンより奨学金を利用しましょう。教育のための借り入れということから、もともと奨学金も公的教育ローンも金利の上限があり、通常の借金より低金利ですが、このところの超低金利は奨学金の金利にも反映されています。

日本学生支援機構の第一種奨学金は無利息で元本の返済のみ。利息がつく第二種奨学金は、例えば、令和元(2019)年度10月に貸与終了した人の金利が利率固定方式(=固定金利)で0.067%、利率見直し方式(=変動金利)で0.002%(基本月額部分、日本学生支援機構のサイトより)。しかも在学中は利息はつきません。これに対し、国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)は固定金利で1.66%。現在は金利の面で、奨学金の方が有利です。

また、大学卒業後に一定期間、その自治体に事業所がある企業で働いて居住すると返還を支援してくれる(自治体や就職先企業が返還を肩代わりする)自治体もあります。大学院で借りた奨学金は、成績優秀なら返済を免除されるなど、奨学金にはさまざまな支援制度があります。

とはいえ借金であることに変わりはなく、親が借りて返済する教育ローンとは異なり、学生=子どもの名義で借りて、卒業後に本人が返さなければなりませんから、子どもにも覚悟が必要です。

『まだ間に合う! 50歳からのお金の基本』坂本 綾子(著)(エムディエヌコーポレーション)(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

〈書籍概要〉

『まだ間に合う! 50歳からのお金の基本』
著者:坂本 綾子
イラスト:たかしま てつを
発売日:2020年6月
定価:1,400円(税抜き)
発行:エムディエヌコーポレーション

〈著者プロフィール〉

坂本 綾子
1988年よりマネー誌、女性誌にて家計管理や資産運用の取材記事を執筆。
1,000人以上に取材。1999年ファイナンシャルプランナー資格取得。2010年ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所設立。
20年を超える取材記者としての経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナー講師を行っている。超高齢出産の子育ても進行中。

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