これから減る支出、増える支出

これから減る支出、逆に増えそうな支出を予想してみましょう。

ちなみに下に示したグラフは、50代の消費支出の内訳の代表例です。

一番上は、世帯主が50代の2人以上世帯。2段目は夫婦と子ども2人で長子が大学生の世帯。いずれも教育費の負担があり、長子が大学生の世帯では教育費は消費支出のなんと26.8%にものぼります。しかし、子どもが無事に卒業して自立すれば、教育費の支出はなくなります。つまり、この分を他の支出や貯蓄にあてられるようになります。

3段目は50代男性の単身世帯、4段目は50代女性の単身世帯です。単身世帯は教育費の負担がなく、2人以上世帯に比べて教養娯楽費の比率が高くなっています。

食費には外食を含み、50代男性の単身世帯は外食が多いことで食費の比率が最も高くなっています。どの世帯でも比率が高いのは交通・通信です。電車やバスの運賃、自転車の購入、自動車の購入やガソリン代、そしてスマートフォン(スマホ)などの通信費の合計です。どの世帯もインターネットやスマホの普及で通信費はここ数年増加傾向です。

その他の消費支出には、理美容サービス、介護サービス、交際費、仕送りなどが含まれます。50代単身世帯の女性は、他の世帯に比べて「保健医療」の比率が高くなっています。紹介したデータは50代のみですが、60代、70代と年齢が上がるにつれて、他の世帯も保健医療の割合が高くなります。

一般的な傾向として、教育費は40~50代をピークに子どもの自立によりなくなり、50歳以降は、保険医療、介護サービスが増えていきます。まずは、ご自身の家計はどう変化しそうか予想するところから始めてみましょう。

『まだ間に合う! 50歳からのお金の基本』坂本 綾子(著)(エムディエヌコーポレーション)(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

〈書籍概要〉

『まだ間に合う! 50歳からのお金の基本』
著者:坂本 綾子
イラスト:たかしま てつを
発売日:2020年6月
定価:1,400円(税抜き)
発行:エムディエヌコーポレーション

〈著者プロフィール〉

坂本 綾子
1988年よりマネー誌、女性誌にて家計管理や資産運用の取材記事を執筆。
1,000人以上に取材。1999年ファイナンシャルプランナー資格取得。2010年ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所設立。
20年を超える取材記者としての経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナー講師を行っている。超高齢出産の子育ても進行中。

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