何らかの事情で自立できない50代の子の生活を、80代の親が支えていることをさす「8050問題」。さらに高齢化が進めば「6090問題」にも発展するのでは、との懸念の声も聞かれます。

このように長期間無職の人たちの年金は、どうなっているのでしょうか?厚生労働省の資料より少し考えてみましょう。

無職の人も年金に加入している

まず簡単に、日本の年金制度をおさらいしておきましょう。日本の公的年金は2階建て構造です。日本に住む20歳以上60歳未満の人は全員が1階部分にあたる国民年金に加入しています。会社員や公務員はさらに2階部分にあたる厚生年金にも加入することとなっています。

「国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金、共済の加入者」は、国民年金の『第2号被保険者』となります。そして、「国民年金の加入者のうち、厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)」は、国民年金の『第3号被保険者』」となります。それ以外の人が、国民年金のみに加入する『第1号被保険者』(※1)となります。

ひきこもりなどの長期間無職状態にある人は、この『第1号被保険者』に分類されます。

(※1)年金機構による定義

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人等、第2号被保険者、第3号被保険者でない者。

(また、(1)日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の厚生年金、共済年金などの老齢年金を受けられる人、(2)20歳以上65歳未満で海外に住んでいる日本人 、(3)日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人(4)65歳以上70歳未満の方(ただし、昭和40(1965)年4月1日以前生まれで、老齢基礎年金を受けるための受給資格期間を満たせない人限定)が、希望して国民年金に任意加入する場合も「第1号被保険者」と同様の取扱いとなる)