今やネットで商品の売買が行われるのは一般的で、専門業者だけではなく一般市民でも売り買いすることが可能な時代です。ヤフオク!やメルカリ、ラクマ、モバオク…。さらには国内のみならず海外の人ともやり取りできるネットオークションサイトもあります。

それぞれのサイトで特色があるわけですが、その中で詐欺行為やトラブルなども年々増えていると耳にします。

今回は、筆者もオークションに出品したことによって遭遇した「これって詐欺!?」という実体験をお話させて頂きたいと思います。

それは1通のメールから始まった…

以前から、自宅にある不用品なんかをちょくちょくオークションに出品していた筆者。家の中も片付くし、ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなって一石二鳥なんですよね。そんな個人的に楽しむ範囲内でネットオークションやネットフリマを利用していた筆者ですが、ある日、夫に頼まれて商品を出品したところから、今回のお話は始まるのです。

実は夫、訳の分からないものをドンドンもらってくるという、ちょっと困ったクセがあります。今までも、お蕎麦屋さんで使う業務用長ネギカット専用の機械とか、昔デパートの屋上にあった子ども用のふわふわトランポリンと空気を送り込む大型装置のセットとか、店舗名が入ったマグカップ50個など。自宅に置いておいても「どうするの!?」という物までもらってくるので、そんな時にもネットオークションやネットフリマを活用していました。

そして今回、とある大型レジャー遊具をもらってきた夫。「これは知り合いが海外から直接買い付けたものなんだけど、すでに廃盤モデルでとても貴重なんだよ!」といい、嬉々としています。だからって、我が家のどこに置くの?しかもこの遊具使って遊ぶような趣味、我が家にはないでしょう!?…ということになり、結局ネットオークションに出品することになりました。

夫に代わり出品作業を行った筆者(面倒なこと担当は妻…)。出品した直後、ウォッチリストに次々へと登録されていき、なかなかの高評価がうかがえました。ですが、落札者は出てきません。ちょうど全国で自粛生活が始まったばかりの時期ということもあってでしょう、こんなレジャー用品を購入する人は現れませんでした。

そんな時、この商品の質問に「海外在住なのだが、直接売って欲しい」という質問が寄せられました。そこには相手の返信先としてメールアドレスが記載されていました。筆者は「このまま質問に返答してしまっては、この人のメールアドレスが全体に公開されてしまう」と思い、記載されていたメールアドレス宛に直接返信したのです。

返信した内容としては「説明文にもあるように、海外発送は引き受けていない」こと、そして「オークション外での商品の取引は受けかねる」ということを理由に丁重にお断りしたのでした。

その後も続くメールのやり取り

しかし、それで大人しく引き下がってくれる相手ではありませんでした。

相手からはいくどとなく「なんとかお願いできないか」という連絡がきました。その内容には「親戚にこの商品をとっても欲しがっている人がいて、誕生日プレゼントにしたい」ということがつづられていました。「探してもなかなか見つからなかった」「ぜひお願いしたい」という熱意を感じるメールに、そのまま断り続けるのも申し訳なく思ってしまい、夫と相談した上で「ともかくオークション終了期日まで待ってください。他に誰も購入する人がいなかったら、改めて検討します」と返事をしたのです。

そしてオークション最終日、とうとう落札者は現れませんでした。この商品のオークション再出品は行わず、改めてメールをくれたその人に購入の意志がまだあるかどうか連絡したのです。

購入意思を示した相手側に、こちらも条件を出しました。

  • こちらが入金を確認してから商品発送になること
  • 送料は購入者負担
  • 住所や身分証明書の提示
  • 海外発送の手続きは購入者で行って欲しい

相手側もこの条件を快く引き受け、商品の受け渡しを進めることになりました。相手からはすぐに、『自分のパスポート』と『車のライセンス写真』、そして入金手続きを行った証として『入金証明証』が送られてきました。

こちらでも商品の最終メンテナンスとチェックを行い、入金を確認したらすぐに運送会社と連絡を取れるように…と準備をしていたのです。しかし、相手側が突然おかしなことを連絡してきたのでした。たしかに、これまでの経緯で1点「んっ?」と思うところはあったのですが…。

「先に送料10万円を振り込んでくれ」

「んっ?」と思った点、それは送料の振り込みについてです。相手側から商品代金の入金を行うと連絡があった時に「商品代金と送料、合わせて〇〇万円を送金する」といってきたのです。

筆者:いや、送料はそちらから運送会社に直接振り込んで頂いた方がいいのではないでしょうか。手続きもそちらから依頼したのですから。

相手:こちらは今、コロナの影響で運送会社への振り込みができない。そちらに振り込むことはできるので、代わりに振り込んで欲しい。

筆者:コロナの影響を受けているのは世界中変わらないと思います。当方には入金出来て、なぜ運送会社には入金できないのですか?

と、質問を投げたのですが、それに対しての返信はありませんでした。その後、商品代金と送料を合わせた金額の振り込みを完了したとの連絡がきたのです。

そして、運送会社が商品を受け取りにくるといっていた予定の2日前になって突然、相手側から「今日中に送料10万円を運送会社に振り込んで欲しい」と連絡がありました。

発送予定日2日前の段階で、こちらはまだ入金を確認していません。「入金を確認していないので、送料の振り込みはできない」と伝えたら、今まで穏やかだった相手の態度は一変し、強気な態度になりました。

相手:なぜだ!?こちらはお金を払っているんだ!その証拠もちゃんと送ってあるだろう!すぐに振り込め!

筆者:いくら証明証を送ってもらっていても、実際に確認ができていないので振り込めません。

こんなやり取りを、本当に何回も行いました。お互いほとんど同じ言葉を繰り返し、押し問答のようです。「送料を先に振り込まなければ、銀行の送金手続きをキャンセルする」なんて連絡がくる始末でした。

やり取りを何回も続けていく中で、そんな強気な態度とは打って変わって

相手:どうしてそんな冷たいことをいうんだ?僕たちは友人だろう。コロナで本当に困っている。僕は親戚を喜ばせたいだけなんだ…。

と、下出に出てくることもありました。

筆者:そうですよね…。コロナは私も本当に大変だと思います。でも、入金確認できないのはまた別のお話ですし、これも私にはどうすることもできません。本当に、銀行手続きに時間がかかるのは困りますね。残念ですが、お互い待つしかありませんよね。

といったような返事をして、ともかく「送料だけを先に振り込め」という要望を頑として受け付けませんでした。さらには「10万円じゃなくて5万円でもいいから」と言ってくる相手に不信感が増していきます。そんなやり取りを、ほぼ10分以内の感覚でラリー戦のようにし続けること半日以上…とうとう折れたのか、相手からの返事がパタリと途絶えたのでした。さらには、いくら待ってもお金が振り込まれることもなかったのです。

これが「手数料・送料詐欺」だったのではないか?

オークション詐欺は以前からあるようですが、最近ではオークションの商品そのものではなく、送料や手数料などの部分で詐欺にあってしまうことが多い、と聞いたことがあります。今回、筆者が遭遇した出来事が、いわゆる「送料詐欺」に該当するのではないか…と思うのでした。

なぜ、そのような詐欺に遭ってしまうのか。今回のケースで言えば、先に「きっと正規の書類なんだろう」と思わせる、振り込み証明証やパスポートなどの提示があったために、信じやすいという点が挙げられるかもしれません。

また、相手とのメールのやり取りをご紹介していますが、これらはすべて英文でした。英語で来られたら、日本人なら弱気になるのかな…とも想像しました。

みなさんが似たようなケースに遭遇することはあまりないかもしれませんが、どんな手で魔の手が忍び寄って来るかは分かりません。今回の体験談が、そんな注意喚起の1つになれたら幸いです。

白藤 さつき