まず一つめ。Cさんの息子のクラスでは毎週末、作文の宿題が出されます。ある日の作文のタイトルは「将来の夢」。何気なく息子が書いた作文をのぞき見たCさんは衝撃を受けました。
なんと息子の作文は「ぼくのいえは、びんぼうです」で始まっていたのです。
後に続く文章では、──うちにはお金がないからおもちゃもお菓子も買ってもらえない、お父さんは毎日一生懸命働いているのに、給料が少ないんだと思う。将来僕は、お菓子やおもちゃが買えるお金持ちになりたい──と。
これを担任の先生が読むのか、と思うとめまいがしたというCさん。書き直すように言っても「なんで? 本当のことでしょう」と言われ、反論できなかったそう。
もう一つの出来事はお正月。今まで義理の両親から息子へのお年玉は、お金を管理するCさんか夫に渡されていたのですが、小学生になったのを機に、直接息子に手渡されるように。
「はい、これお年玉」と、手渡された息子は、そのお年玉をじっと見つめた挙句、目に涙を溜めながら「これ、お母さん持ってていいよ。お金ないとき、ここから僕のお菓子やおもちゃ買ってよ」。
義理の両親の視線が痛かった…と語るCさん。以来「お金がない」は禁句にしているそうです。