株式市場の振り返り-7日ぶりの反落となるものの、小幅下落に止まる

2016年7月20日(水)の東京株式市場は小幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲0.3%の下落、TOPIXも▲0.1%の下落で引けています。いずれも7日ぶりの反落でした。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲0.8%下落して5日続落となりました。

日経平均株価は、前日比▲76円安で寄り付いた後、前場の半ばには一時▲169円安まで下落しました。後場に入ると下げ幅を大幅に縮小して▲30円安まで切り返す場面がありましたが、結局、大引けは▲41円安の16,681円で終わっています。今年初の7連騰はなりませんでした。16,700円台を割り込む反落となりましたが、意外なほど小幅下落に止まりました。

東証1部で上昇したのは972銘柄、値下がり820銘柄、変わらず176銘柄でした。東証1部の出来高は18億6,441万株、売買代金は2兆7,199億円(概算)となっています。出来高、売買代金ともに前日より減少しました。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中13業種が上昇、主役の任天堂は大幅反落

東証1部で上昇したのは13業種、下落したのは20業種でした。上昇率上位には、建設や不動産などの景気対策の恩恵業種が多く見られました。他方、下落した業種には、金融関連や素材関連が目立ちましたが、特段目立った動きはなかったようです。

個別銘柄では、ポケモノミクス相場の主役である任天堂(7974)が▲12%超の大幅反落となり、ファーストリティリング(9983)、日東電工(6988)、信越化学工業(4063)などが値を下げました。また、野村ホールディングス(8604)など証券株も総じて安く終わっています。一方、東京エレクトロン(8035)が年初来高値を更新し、しまむら(8227)や資生堂(4911)も値を上げました。コマツ(6301)も終値では下落しましたが、ザラバでは一時年初来高値を更新するなど堅調でした。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は深刻な薄商いの中、見どころなく5日続落

20日の東証マザーズ総合指数は、前場の半ば辺りまで底堅い動きでしたが、それ以降は買いが続かずに5日続落となりました。取引時間中の値幅(高値と安値の差)も非常に小さく、新興市場らしい活気は全く見られませんでした。それを裏付けるように、売買高は4,308万株の超低水準となり、売買代金は1,000億円を大きく割り込む約881億円に止まっています。大型株への資金シフトに伴う換金売りは、そろそろ峠を越えそうな雰囲気もありますが、売買の活況感が低下しては意味がありません。再び上値を狙うには、物色テーマとなる材料が欲しいところです。

個別銘柄では、医療バイオ関連、情報通信関連、フィンテック関連などは、いずれも高安まちまちでした。これも、物色テーマが乏しいことを物語っていると言えましょう。なお、時価総額の大きいそーせいグループ(4565)、CYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)はいずれも小幅安に終わりましたが、取引時間中は上昇する場面もありました。全体的に大きな値動きが少なかった中で、アカツキ(3932)やアキュセラ(4589)などが大幅上昇となったのが目立っています。

本日(7月21日)の注目点-ポケモノミクス相場の揺り戻しを警戒しつつ、円安進行に注目

20日は任天堂株こそ大幅下落になりましたが、日経平均株価は小幅下落に止まりました。相場には想定以上に大きなエネルギーがあるようです。ただ、20日も任天堂株への依存度は益々大きくなっており、異常な事態であることに変わりはありません。1銘柄への依存度が27%(売買代金ベース)という状況が続くはずはなく、やはり、大きな警戒心を持って臨むべきと考えられます。

ポケモノミクス相場、ポケモノミクス相場と騒いでいるうちに、為替相場で円安が進んでおり、何時の間にか107円/ドルを伺う状況です。2週間前には一時100円/ドル割れだったことを思い返すと、急激な変化です。21日(木)は、このまま円安が定着するのかどうか試される重要な日になるかもしれません。しかし、為替が円安に進んでいる割には、輸出関連株の上昇は小幅に止まっており、中には冴えないパフォーマンスも散見されます。出遅れ感の強い輸出関連株に注目してもいいでしょう。

一方の新興株式市場は、すっかりエネルギーがなくなってしまいました。ここまで閑散相場になったので、何か新しい物色テーマが出るまで、じっくりと静観するのも一考に値します。新興株は値動きが大きいですから、テーマが出てからでも乗り遅れるリスクは小さいと考えられます。

青山 諭志