駅ビル、マンションディベロッパー、そしてコロナ禍前はインバウンド需要で潤っていたホテルを抱える不動産事業は、JR九州にとって、なくてはならない存在になっています。

鉄道事業は縮小を免れない

今後も日本の人口減少、特に地方での減少が進むと予想されています。JR九州の営業地域には、九州全体から人が集まる福岡(博多)があるものの、九州全体では赤字線区がさらに増える可能性が高いと言えるでしょう。

そのため、このままではJR九州の鉄道事業は徐々に減収減益を余儀なくされることが予想されます。その結果として、鉄道事業と不動産事業の逆転が生じる日はそれほど遠い未来ではありません。

JR九州の経営は、不動産事業の存在により安泰です。ただし上場会社としてのJR九州を見た場合、縮小が続く鉄道事業と継続的に収益を上げる不動産事業を2本柱とする同社に対し、鉄道事業への改善要求は強まることはあっても弱まることはないでしょう。

実際にJR九州は物言う株主である米投資ファンドから、不動産部門の収益情報開示などの圧力を受けています。

JR九州は近い将来、不動産会社が運営する鉄道会社になってしまうかもしれません、今後、赤字線区の問題とどのように折り合いをつけていくのか、鉄道会社としてのJR九州の行方が注目されます。

【参考資料】九州旅客鉄道:「交通・営業データ」「線区別ご利用状況」「2020年3月期決算説明会資料」「2020年3月期決算短信[日本基準](連結)

石井 僚一