鉄道事業と不動産事業が2本柱

JR九州全体で見れば鉄道事業は黒字の状態です。2020年3月期の鉄道事業が属する運輸サービス部門の営業利益は198億円。新型コロナウイルス問題の影響で対前年同期比で▲76億円の減益となりましたが、それでも200億円近い営業利益を確保しています。

一方、不動産事業(正式には不動産・ホテル事業)の2020年3月期営業利益は191億円で、鉄道事業と同レベルの営業利益を計上しています。ただし、ホテル部門が新型コロナに直撃されており、2020年3月期は対前年同期比で▲63億円の減益です。

なお、減価償却費などを除いた2020年3月期のEBITDAは、既に不動産・ホテル事業の306億円が、運輸サービス部門の296億円をわずかながら上回っています。

不動産事業の中心は博多駅の駅ビル

このように、不動産関連の利益が鉄道事業と同等の利益を上げているJR九州ですが、同社の不動産事業の中心は博多の駅ビルです。2011年に開業した博多駅ビルを抜きにJR九州の経営は語れませんし、駅ビルがなければ2016年のIPOは実現困難だったと言えるでしょう。

また、JR九州の不動産事業にはマンションディベロッパー事業も含まれており、実際、JR九州は九州地区で有数のマンションディベロッパー事業者です。