どうなることかと見守っていると、親の心配をよそに子供たちは嫌がりもせず1カ月、2カ月が過ぎてすっかり定着しました。「労働の対価としてお金を貰う」という考えが身についたようなのです。
駄菓子屋での失敗経験を活かして金銭感覚が向上
今まで、駄菓子屋さんに行く時には1人1人大まかな金額設定を決めて購入していました。しかし、毎回のように「これも買いたい・・・」とせがまれていたのです。
しかし、買いたいとせがまれたものを親がその都度払っていると「お金は無限にある」と子供は勘違いしてしまいます。これでは適切な金銭感覚とは言えず、成長してから子供が苦労する心配があります。そしてなにより、欲しいものに対して我慢する忍耐力が育たちません。
実際、緊急事態宣言解除後に近所の駄菓子屋も再開したのを聞きつけて、お駄賃制を導入以降初めて駄菓子屋に行ったとき、長子は手持ちのお金を使い果たした挙句、筆者から30円借金しました。小学6年生になるというのに、手持ちのお金をやり繰りせず「欲しいものは闇雲に買う」という衝動的な行動をしたのです。
一方、下の2人は自制し、次に来たときのことを考えて50円程度残していました。その様子を目の当たりにした筆者は、何とも言えない気持ちになりました。
借金をすると、その分お手伝いのただ働きも多くなります。それ以降、長子は駄菓子屋に行く前はいくつかシュミレーションをし、必ず数十円は残るよう計算しています。