止まらない新型コロナ被害、第2波と政治経済的混乱の危険な連鎖

コロナが猛威を振るった欧州では徐々にロックダウンが解除され、各国の国境も再び開放されようとしているが、欧州各国を結ぶ航空便や高速鉄道の運行が活発になることで再び感染爆発が起こる可能性もある。

観光収入がGDP全体の1割を占めるフランスやイタリア、スペインなどは夏のバカンスシーズンを迎え、観光客を取り戻そうとしているが、クラスターが発生する危険性もある。

経済的被害が火をつけた抗議デモや暴動

一方、新型コロナウイルスの感染拡大が世界で収まりを見せ、人々の動きが再び戻ったとしても、今後はそれによる経済的な不満や怒りを持つ市民による暴動やデモがいっそう激しくなる恐れがある。

既に、新型コロナウイルスによる被害は、医学的なものより経済的なものの方が大きいとも言われる。

最近、白人警察官による黒人男性死亡に端を発するデモが世界中に広がりを見せたが、これは単に人種差別に抗議するデモでは収まらない。その根底には、経済格差や失業に対する若者の不満や怒りがある。

このデモには多くの白人の若者も参加しているが、新型コロナウイルスの前からこういった不満は強かった。そして、コロナによってそれはもっと大きな不満・怒りとなりつつある。身体的な感染が収まりを見せ始めたとしても、政治経済的な感染はそれ以上に長続きしそうだ。

和田 大樹

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清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら