カプコン、7期連続増益かつ3期連続最高益達成 ゲーム市場でコンシューマとモバイルが成長を牽引

2020年5月12日に行なわれた、株式会社カプコン2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社カプコン 代表取締役社長COO 辻󠄀本春弘 氏

1-1.成長戦略骨子(中期的な経営目標)

辻󠄀本春弘氏:社長の辻本です。本日は、ご多忙の中カプコンのオンライン決算説明会にご参加をいただき、誠にありがとうございます。説明会に先立ち、このたびの新型コロナウイルス感染症に罹患されたみなさま、および関係者のみなさまに謹んでお見舞いを申し上げします。

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本日、私からは中期経営目標の進捗と2021年3月期事業戦略および計画について、スライドに沿ってご説明します。はじめに、中期経営目標の進捗についてお話しします。

当社は現在、中期的な経営目標として「毎期、営業増益」を掲げており、当期もコンシューマにおいてデジタル販売の強化を推進し、販売本数および利益を安定的に積み上げた結果、2013年3月期を起点として7期連続の増益かつ3期連続で最高益を達成することができました。

また、営業利益に加え、当期純利益も7期連続で増益としています。

1-2.中期的な経営目標①

安定成長における重要KPIであるデジタル収益の成長をまとめましたので、ご覧ください。2012年3月期にはコンシューマにおけるデジタル売上高は28億円でしたが、デジタル販売を経営の重要テーマとして強化してきた結果、今期計画では、売上高は450億円を突破し、デジタル比率は73.9パーセントに達する見込みです。

1-2.中期的な経営目標②

次に、安定成長の要因を主力タイトルの長期販売の側面からご説明します。高品質なタイトルを投入することで、デジタル販売を通じ、販売した年度以降にでも採算性の高いカタログタイトルとして長期的に販売することが可能となり、安定成長を支えています。とくに、ご覧のとおり2017年3月期の『バイオハザード7』以降、その傾向が顕著になっています。

また、価格施策を通じ、新興地域も含め新規ユーザー層を獲得することで、次回作以降への種まきになると考えています。

1-2.中期的な経営目標➂

デジタルマーケティングの推進によるグローバル販売の強化についてお伝えします。かねてから推進しているユーザーデータベースの収集およびマーケティングへの活用をさらに推し進めるとともに、あらためて、グローバル市場をアメリカ、ヨーロッパ、日本、アジアの4エリアと大きく定義し、それぞれの特性に応じた戦略を推進していきます。

また、この4月から経営企画、マーケティング戦略、販売戦略を一体的に運営する新たな組織を立ち上げ、経営と事業の連動をさらに強化しています。

1-2.成長戦略骨子(中期的な経営目標)④

お伝えしてきたとおり、安定成長への手応えがより大きくなったことから、新たに営業利益の目標成長率を10パーセントと具体的に定めます。引き続き、グローバル展開の強化とブランド価値の向上、ユーザー数の拡大に注力し、今期は4期連続の最高益となる営業利益255億円を目指しています。

2.成長戦略骨子(ゲームソフト市場概況)

ここからは、2021年3月期における事業戦略および計画をご説明します。まず、最新のゲーム市場の見通しをお伝えします。

ゲーム市場はコンシューマ、モバイルコンテンツが牽引し、成長する見通しです。2019年の市場規模は1,655億ドルに達しており、前年1,468億ドルから187億ドル増加するなど、1年前の予想を上回る勢いで成長しています。そして2024年には、2019年の1.3倍以上の2,264億ドルに達する見通しです。

とくに、モバイル市場の成長幅がもっとも大きく、アジアおよび新興地域での成長が見込まれています。また、コンシューマ市場はデジタル販売の進捗を主要因として2019年比で1.5倍と大きく成長を見込んでいます。

当社にとって、コンシューマとモバイルが拡大を続けるこの局面は、引き続き成長の大きなチャンスだと考えています。

3-1.2021年3月期 連結業績予想

次に、2021年3月期の業績予想です。新型コロナウイルスの影響により、国内外の情勢が不透明な状況ではありますが、現時点では合理的に予測可能な範囲で策定した業績予想を発表します。今期は、大型新作の複数投入とデジタル販売を強化することにより、メイン事業のコンシューマを成長させ、すべての利益項目で最高益の更新を目指します。

また、営業利益では、増益は8期連続と最長記録を更新します。売上高は前期比34億円増となる850億円、営業利益は26億円増の255億円、また、営業利益率は30パーセントを計画します。経常利益は25億円増の255億円、親会社株主に帰属する当期純利益は20億円増の180億円となる見通しです。

1株当たりの予想当期純利益は168円62銭、配当は中間20円、期末25円の年間45円を予定させていただいています。

3-2.新型コロナウイルスの影響と当社対応

新型コロナウイルスの影響および当社の対応についてご説明します。当期業績の見通しにおける不確定要因として、コンテンツ制作業務への影響、またアミューズメント施設事業やパチンコ・パチスロ店舗営業自粛、eスポーツ大会などイベント等の延期や中止といった個別の影響を想定しています。

当社の対応としては、コンテンツの制作工程の見直しなどの効率化を徹底し、影響の最小化に努めていきます。また、デジタル販売をさらに推進し、新作およびリピートタイトルの販売拡充に注力していきます。その他、感染拡大の防止に向けて、従業員の在宅勤務の推進、手洗い、うがい、アルコール消毒およびマスクの着用を徹底などに取り組んでいきます。

4-1.デジタルコンテンツ事業 戦略および計画①

事業セグメント別の戦略と計画についてご説明します。はじめに、デジタルコンテンツ事業についてご説明します。

今期も主力ブランドを積極的に活用します。コンシューマでは、『バイオハザード RE:3』を4月3日に発売し、4月末には250万本を突破しています。他にも、大型新作タイトルを投入するとともに、『モンスターハンター:ワールド』や『アイスボーン』などカタログタイトルの販売を推し進め、販売最大化に努めていきます。また、デジタル販売によるグローバルでの地域の拡大とPCプラットフォームへの対応の強化を今期も進め、デジタル売上比率は前期並みの73.9パーセントの計画です。モバイルでは、市場動向を注視しつつ、前期投入のタイトルの育成および新作の投入を図ります。また、5Gの普及を想定した技術研究の推進も行なっていきます。

4-1.デジタルコンテンツ事業 戦略および計画②

次に、ソフト販売計画です。タイトル数は前期に比べて減少しますが、販売本数はトータルで2,800万本と今期も増加する計画です。新作のタイトルにおけるSKUは13SKU、販売本数は先ほどご説明したとおり2,800万本。海外の内訳は2,495万本、ダウンロード本数における本数は2,350万本、旧作本数については1,800万本を計画させていただいています。

4-1.デジタルコンテンツ事業 戦略および計画➂

 

次に、デジタルコンテンツ事業の計画です。売上高は前年比70億円増の669億円。内訳としては、コンシューマにおけるパッケージが30億円増の159億円、デジタルの売上が24億円増の450億円、内デジタルライセンス収入は20億円。また、モバイルコンテンツにおける売上については、前年比16億円増の60億円。営業利益は42億円増の283億円、営業利益率は42.3パーセントを計画しています。

4-2.アミューズメント施設事業 市場概況

次に、アミューズメント施設事業についてご説明します。まず、2018年度までの市場動向ですが、アミューズメント施設事業は、景況感が改善する中、市場規模は回復傾向を維持していましたが、今後以降はコロナウイルスの影響が表れる見通しと考えています。店舗数は、これまでと同様に穏やかな減少が続いています。

4-2.アミューズメント施設事業 戦略および計画

今期は、前期から展開する新業態を推し進め、また既存店舗では効率的な運営に努めていきますが、新型コロナウイルスの影響を鑑み減収減益を見込んでいます。既存店の売上計画は、前年比82パーセントを見込んでいます。出店計画ですが、新規3店舗で今期は計43店舗の運営と計画しています。新業態としては、自社ブランドを活用したカフェや物販専門店の育成にも注力していきます。

今期の売上高は15億円減の105億円、営業利益については12億円減の0億円を計画しています。

4-3.アミューズメント機器事業 市場概況

アミューズメント機器事業について説明します。パチスロ機市場は、2014年以降の型式試験方法の変更等が影響し、引き続き減少傾向となっています。

4-3.アミューズメント機器事業 戦略および計画

戦略です。コロナウイルスの影響により、パチスロ店舗の営業動向などを見守りつつ、自社IPを活用した現行基準機を1機種投入する想定です。今期の売上高は、前期比20億円減の45億円、営業利益は3億円減の17億円、営業利益率は37.8パーセントを計画しています。

4-4.その他事業 戦略および計画①

最後に、その他事業についてご説明します。その他事業では、主力IPの販売増およびグローバル化を受け、ワンコンテンツ・マルチユース戦略をさらに推進、強化していきます。ライセンスや映像キャラクター、コンテンツビジネスでは、人気IPを活用したグッズ展開やコラボレーションによる収益の拡大を図ります。また、ハリウッド映画『モンスターハンター』の公開は今年9月を予定するなど、映画やテーマパークへの展開も引き続き予定しており、グローバルでのブランド認知の向上を図ります。

4-4.その他事業 戦略および計画②

eスポーツでは、ビジネスチャンスを創出するべく、中長期視点でステークホルダーの拡大に向けた取り組みを展開していきます。新型コロナウイルスの影響を考慮し、国内外における各大会をオンラインでの開催をすることにより、ビジネス展開に注力していきます。また、ユーザー増のさらなる拡大のために女性トーナメント大会の実現も目指します。今期の事業計画は、売上高が1億円増の31億円、営業利益は引き続きeスポーツへの投資が先行するものの、2億円増の7億円となる計画です。

以上をもちまして、私からの説明を終わらせていただきます。

新型コロナウイルスの終息については、依然不透明な状況ではありますが、当社は主力ブランドのさらなる強化を図り、中核ビジネスであるコンシューマの安定的な成長を実現するとともに、各セグメントに効果を波及させていくことで、今期も最高益の更新を目指します。また、成長と両立させながら、将来へ向けての投資もしっかりと行なっていきます。

従業員とその家族、そしてステークホルダーのみなさまの健康と安全を第一として、このような困難なときだからこそ、今まで以上に全社一丸となり、計画達成に注力していきますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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