きっかけは、リモート飲み会

A子さんは、地元では名の知れた老舗企業に事務のパートとして勤務するアラフィフの主婦。一昨年大学を卒業した息子は、大学卒業とともにA子さんと同じ企業の本店の営業職として就職、家をでて一人暮らしを始めていました。お互い仕事に行き、帰宅後もそんなに会話が弾むわけでもない単調な夫婦二人の生活。A子さんの中では、夫は空気に近い存在になっていたのかもしれません。そんな中、コロナ禍による自粛生活が始まりました。

そんな中、A子さんは、会社の仲間から「今流行りのリモート飲み会をやってみない?」という声をかけられます。夫婦でそろってのテレワーク生活に息苦しさを感じていたA子さんは、2つ返事でOK。そこで意気投合したのが、同じ課にいるB男さんでした。

リモート飲み会は、お店で飲むのとは異なり、あちこちで小さなグループを作って盛り上がったり、隣同士でこそこそ話…ということはできません。しかし、個々のメンバーが適当なところで切り上げて、抜けることはできます。その日の飲み会では、一人抜け、二人抜け…としていくうちに、なんとなく名残惜しくて抜けていなかったA子さんとB男さんだけが残りました。「眠れないね。ちょっと話そうか。」と、お互いのパートナーの愚痴を言い合ったことが、二人がお互いを意識するようになったきっかけでした。