3.「インクルージョン(Inclusion)」の考え方
欧米では、言語、人種、家庭環境、身体や精神の疾患などの様々な要因により、選択肢が与えられていない状態やプロセスを、「社会的排除(Social exclusion)」と呼びます。
私たちの社会には住まい、教育、保健、就労など多様なサービスや制度がありますが、こうした領域から意図せずはみ出してしまった方やはみ出さざるを得なかった方は、自ら出て行ったのではなく、社会が排除しているという考え方に基づいています。
これに基づいて、生きづらさを抱える方々を減らし、誰もが認め合うことのできる社会を目指す理念や動きを「インクルージョン(Inclusion)」と呼びます。これは、「ソーシャル・インクルージョン(Social Inclusion)」と呼ばれることもあります。
直近で話題に上ることの多い、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)で「誰一人取り残さない(leave no one behind)」との誓いも、この「インクルージョン(Inclusion)」を踏まえたものといえるでしょう。
「インクルージョン(Inclusion)」の取組みは、世界中で実施されています。新興国におけるアフリカ地域の教育制度の普及や、南米地域での貧困層に対するインターネットアクセスの拡充、日米欧の先進国におけるユニバーサルデザインの普及などもその一部と捉えることができます。
「インクルージョン(Inclusion)」推進の担い手は、国際組織や政府といった公的機関に限りません。数多くの民間企業が賛同し理念として掲げています。なかにはビジネスとして取り組もうとする動きもあります。
金融包摂と訳される「ファイナンシャル・インクルージョン(Finansial Inclusion)」もその一つといえます。これは、すべての人が豊かなライフスタイルを実現するために、金融に関する知識やノウハウを共有し、あらゆる人が金融サービスを享受できるようにすることです。
特に新興国では、銀行口座開設の選択肢すらない方、お金を借りて家を建て働いて返すという選択肢がない方などが、まだまだたくさんいます。そうした方々に選択肢を届けようと、フィンテックベンチャー企業やマイクロファイナンス機関などが成長を続けています。
そうした企業を育て、より良い社会を築くかどうかの選択肢は私たちにあります。どのような企業にお金を支払い、育て、未来を託すか、世界的に混乱をきたしている今こそ一緒に考えてみませんか。
以上、貸付型クラウドファンディングを通じて投資家の皆様の資産形成と世界の成長をつなぐクラウドクレジットでした。
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