毒されやすい「反抗期がない子」
親のいうことをよく聞き、反抗的な態度をとらない子供は、大人には「手がかからない良い子」に見えます。でも彼らの本音は「叱られないために、とりあえず親の言うことをきいておく」というケースが多いようです。子どもの頃から自分の感情をおさえることに慣れてしまうと、心の健全な育ちに深刻な影響が及ぶ可能性があります。
「わが子にとって最善の道を示してあげるのが親の愛情」というつもりで口出しをしても、子どもにとっては単なる抑圧にしか過ぎない可能性も。「親に忠実に従うこと」以外の選択肢がないというやり方が果たして愛情なのか、親の側が早めに気付いてあげる必要があるかもしれません。
このパターンで危ないのは、「毒親」に当てはまっていることに、親子ともに気が付けない場合です。将来、子ども自身が親となったとき、自分の親を見本として、同じことを繰り返す原因にもなりかねません。
「しつけ」という名の虐待
「厳しく育てれば、正しい大人になる」いう考えを持つ親は、その「厳しさ」の質を今一度振り返ってみることが必要かもしれません。殴る・蹴るなどの身体的な暴力はもちろんNGですが、ここでクローズアップしたいのは「言葉の暴力」。親が何気なく発するその一言が、子供にとって生涯忘れられないトラウマを生んでしまう危険性があります。ここからは、毒親の後遺症を抱えるみなさんのエピソードをご紹介していきます。
自己肯定感を下げた、「ダメな子」の烙印
「何か失敗するたびに実父から『お前は本当にデキが悪い人間だ』といわれて育ちました。何がダメなのか理解できぬまま、『そうか、自分はダメな子なんだ』と思うようになり、何かに打ち込んだり挑戦したりすることなく大人になりました。
最近、職場の人間関係や恋愛で行き詰まり、心のバランスを崩しました。カウンセリングで『自己肯定感』の低さを指摘され思い当たる原因を探してみたところ、『デキが悪い』と言われ続けた記憶が蘇ってきて・・・おそらく、あの『ダメの烙印』によるところが大きいのかも」