「コロナ不安」に付け込む詐欺の手口

「コロナ不安」につけ込む形で増加している特殊詐欺。「定額給付金」や「マスク」といった、COVID-19に関係する言葉や物品をダシにするケースも横行しているようです。次に、実際に発生した4つの事例を見てみましょう。

「特別定額給付金を振り込みます」→暗証番号を聞き出す


「市の職員だという人から電話がかかってきて、『給付金として10万円振り込むから、キャッシュカードの暗証番号を教えてほしい』と言われました。特別定額給付金のことだと思ってその通りにしましたが、まさか詐欺だったとは…」

対象者1人に対して10万円が振り込まれる「特別定額給付金」に乗じた詐欺の典型例です。市町村の職員を装い、暗証番号を聞き出したりキャッシュカードを騙し取ったりするケースが多くみられます。なかには120万円もの預金を引き出されてしまった人も。「○○銀行協会」「○○市役所給付金サービス係」など、いかにも「それっぽい」組織名を名乗って、電話口の相手を安心させるという手口が多いようです。

市町村や金融機関の職員が、電話口で暗証番号をたずねたり、玄関先までキャッシュカードを受け取りに出向く、いう話が出た場合はまずは詐欺を疑いましょう。怪しい電話がかかってきたら、すぐに警察や市町村の窓口に相談してくださいね。

「低金利で融資をします」→保証金を騙し取る

「営業自粛で経営状態が苦しかった矢先、『金融特別貸付のご案内』というFAXが届きました。かなりの低金利だったので申込書を送ると、融資会社らしきところから『融資には保証金が必要。50万円を今日中に入金してくれ』と電話が。すぐに振り込みましたが、融資の話は進まないまま、さらにお金を要求されました。怪しいと思って調べたら詐欺!結局泣きっ面に蜂という状態です・・・」

「コロナ不況」のあおりを真っ先に受けた人には、自営業やフリーランスが多いはず。弱みに付け込んだ卑劣な詐欺ですね。わざわざあちらから融資の話を持ち掛けてくる場合は、まずは怪しいと疑ってかかったほうが賢明かもしれません。

「マスク送ります」→高額代金を請求

「どこのお店でもマスクが入手困難だった頃に、『無料でマスク送ります』というメールが届きました。無料ならと思い、URLをクリックして個人情報を入力。しかし、その後に高額な費用を請求されてしまいました」

マスク不足の中、無料でもらえるという話があれば興味を持ちますよね。最近では、いわゆる「アベノマスク」に便乗し、勝手にマスクを送り付けて、あとから代金を請求されるというケースも多発しています。こともあるので注意しましょう。

「コロナでお金がなくて…」→息子を装い現金を騙し取る

「ある日息子から電話がかかってきて、『上司に借りたお金を返さなきゃいけないから、ちょっとだけ貸してくれ』と言われました。上司と名乗る人が自宅にやってきて『コロナのせいでお金に困っていて、すぐに返してほしい』とのことで…。こんなご時世だからみんな大変だと思い、100万円ほど渡しました。後から詐欺だとわかり、ひどく後悔しています。夫からは『息子の声も聞き分けられなかったのか?』と怒られ、精神的に落ち込んでいます

いわゆるオレオレ詐欺も、社会情勢をみながらコロコロと手口を変えています。見知らぬ電話番号からの着信はまず疑ってかかることをおすすめします。また、普段から家族間で密な連絡をとりあい、お互いの声を“耳”で覚えておけるようにしておくことが大事かもしれませんね。