「2人目を産んだ方がいいわよ」「子どもが小さい間は仕事はやめておいたら」「正社員でなくパートになれば」…。
仕事や育児、家庭問題で出てくる、一見正論に見える言葉たち。言っている側としては、正しいことを教えていると信じて疑わないところがあるでしょう。
しかし「良かれ」と思って言った正論が、相手のためにはならないどころか、人の心を離れさせたり、信用を失ったり、相手の深く心を傷つけることも少なくありません。正論は刃にもなり、他人だけでなく、自分の言葉に自分が傷つけられることもあるのです。
正論を言うリスクと、正論を言う代わりにできることは何かを考えてみましょう。
正論は、時に「刃」にもなる
これこそが正しいという主張である「正論」。正論を言う側は「良かれ」と思い、相手のためになるからと信じて疑わず、堂々と正論を語るでしょう。しかし正論は、相手も自分をも傷つける「刃」になることが少なくありません。
そもそも当事者と、当事者以外の人々の間には大きな壁があります。性格も、価値観も、事情も、環境も、人それぞれ。実際にその人の性格で、その人の環境で、その人の立場になって経験してみなければ、本当の意味では相手の気持ちを理解できないものです。