「同一労働同一賃金」で実感する“雇用格差の現状”
4月から施行された「同一労働同一賃金」に関して、旅行サイトエアトリが20代以上の男女914名を対象に、直前にアンケート調査を実施しています。まず、待遇差については非正規の74.7%が「正規社員の方が待遇が良く感じる」と回答しています。一方、経営者・事業主では55.4%、正規社員では51.6%にとどまりました。格差の感覚に関して20ポイント以上の差がついていることから、非正規雇用者だからこそ感じる不公平感があることがうかがえます。
さらに注目したいのが「同一労働同一賃金」導入についての「認知率」。全体的な認知率は69.9%だった一方で、当事者であるはずの非正規社員の認知率は65.0%となり、全体よりも低い数字となっています。そして、経営者・事業主も4人に1人は「知らない」と回答していたのです。
では、実際に3月の時点で、4月からの雇用契約には変更があったのでしょうか。「変更はなかった」「まだ分からない」と答えた人は76.5%。変更ありと答えた非正規雇用者をみると、「納得のいく変更」が12.0%だった一方、「納得のいかない変更」が11.5%となりました。
納得のいく変更内容
- 非正規でも、慶弔金や交通費支給、半休などの待遇が増えた。
- ボーナス的なものの支給が決まった。
- 業務ができる人・できない人での賃金区別がついた。
納得のいかない変更
- 賞与の設定と引き換えのように、月収が減少した。
- 3年で仕事が切られる非正規が続出。
- 「準社員」という契約になったが、賃金は微増で負担は大幅に増えた。
- 現在担当している業務に加えて、正規社員が担当していた業務をすべて引き継ぐことになったのに、時給のアップは20円。
改善された部分がある一方で、このような不満の声も上がっているようです。