かといって、主婦だってお洋服は欲しいし、化粧品や美容院代も必要。ママ友とのお付き合いもあります。夫の給料を必死にやりくりして、それらの費用を捻出しても、なぜかお金を使うことに対して罪悪感が芽生えてしまう。それはやっぱり「自分が稼いだお金」ではないから。

となると、自分の趣味嗜好に、あるいはストレス発散のために主婦が「心から」自由に使えるお金って、ほとんどないのでは…?という結論に至るのも、無理からぬ話です。

なぜ、夫は「財布をにぎる妻」に不満を抱くのか?

では、続いて男性がなぜ「専業主婦は夫の給料を自由に使っている」と不満に思うのか…? その理由を分析してみましょう。

新生銀行が2019年6月に公表した「2019年サラリーマンのお小遣い調査」(期間:2019年4月5日〜8日、方法:インターネット調査、回答者:全国の会社員の男女=正社員・契約・派遣・パート・アルバイト=合計2717人)によると、男性会社員月平均お小遣い額3万6747円昼食代の平均は555円1回の飲み代の平均は5415円という結果になりました。

ほとんどの家庭では、夫のお小遣いの中に「昼食代」「飲み代」が含まれているようです。となると、お小遣いの中から1万円程度は昼食に消えていきます。そこに月に2回ほど飲み会が入ると、さらに1万円が追加で消えていく…。本当に自由に使えるお金は実質1万円程度、ということになります。

つまり、「お小遣い」とは本来「自分が好きなように自由に使えるお金であるはずなのに、昼食代や同僚との飲み代など“会社員にとっての必要経費”も含まれています。まずこのことが「小遣い額」の不満につながる大きな要因でしょう。

財布を妻がにぎり、夫の小遣い額を妻が独断で決めている家庭の場合、この不満はさらに大きいはず。たとえ金額的には世間一般で見て妥当だとしても、です。

自分が稼いだお金なのに、裁量権は妻がにぎっている

夫にしても、妻が“好きな時に自分の好きなものを購入できる”というわけでは決してない…ぐらい重々承知の上。それでも、圧倒的に妻のほうがお金を支払っている機会が多い…という点で、なんとなく夫は「自分が稼いだお金を妻は好き勝手に使っている」という感覚に陥るのかもしれません。