弱音を吐けない家庭
金銭的に困っているわけでもないのに、お金を使うのにいつも気を遣う。この状態は果たして幸せか。Kさんはその疑問を抱えながら生活を送っているといいます。
「特に感じるのは家事や育児に疲れた時です。共働きの友人などは『夫にすべて丸投げした!』なんてたまに息抜きをしているんですよね。でも、私はそれが許されない。以前、子供の学校のことなどでヘトヘトになった話を夫にしたところ『いつでもかわってやるよ。お前が俺と同じだけ稼いでくれるならな』と言われてしまいました。若くして退社し仕事のキャリアもほとんどない私が、夫と同じだけ稼げるわけがない。かぐや姫の無理難題と同じような条件であることを理解しながらそんな言葉しかかけられない夫に、心底ガッカリしました」
周囲から幸せいっぱいで暮らしていると思われているKさん。家にお金があっても自分の自由にならない上、子供たちが欲しいものもいちいち夫の許しを得なければならない。そんな窮屈な生活を送っているにもかかわらず、気心知れた友人らからは「住む世界がもう違う」などと気軽な集まりにも誘われなくなったそうです。
「我慢ができなくなって本当のことを友人に話したこともありましたが『奥様のないものねだり』といって真剣に取り合ってもらえませんでした。『お金はあるけど自由に使えない』というのは、言い方を間違えると嫌味に取られかねません。それだったら『ホントに貧乏!』なんて口々に言える関係の方がよかったのか?なんて考えてしまう時もあります」