高学歴エリートが求めるのはお金より自己実現

その人の人となりは千差万別、人によって性格も価値観も異なるので「高学歴」と主語を大きく、ひとくくりにすることはできません。しかし、あくまで個人的な肌感覚で全体としての傾向を見るなら、高学歴エリートの人たちは「お金より自己実現」という価値観の持ち主が多いように思うのです。

「Winner takes all(強者総取り)」という思考で、若くしてビジネスを立ち上げてバイアウト、巨額の資金と名声を得た高学歴の若社長も知っている人にいますから、「高学歴エリートがみんなお金に無頓着」と一概に言うつもりはありません。

しかし、「大学受験における最難関の東大理Ⅲを出ても、医者にならない人がいて、その理由は自分の学力を追求したかったから」という話もあり、自身の進路を自己実現のために進んでいるエリートがいるのもまた、事実なのです。

筆者が実際に最近見聞きした話では、数学を追求した結果、東大で数学を学んで数学の書籍に携わっている人がいるというものです。個人的には数学力があるなら、データ分析やITエンジニアの道の方がお金を稼げると感じるのですが、その方は数学が大好きなあまりに、数学の道を選び、幸せに日々数学と向き合っているというのです。

また、ゲーマーとしてゲームの上達を追求するあまり、東大卒でありながらプロゲーマーになったり、ゲーム開発職に就職する人がいます。彼/彼女らの卓越した頭脳を持ってすれば、事業として立ち上げることで大きく稼げそうに思えてしまいます。が、実際にやっていることは「自己実現」であり、お金はその結果として稼ぐものに過ぎないと感じてしまいます。

高学歴エリートは目標を立てて、努力するプロセスを楽しむ傾向の人が多いと感じます。努力をいとわない気質故に、学業で良い成績を収めて高学歴を獲得、それが労働市場で有利なシグナルとして働くことで官僚や大企業への入社率を高めることになりますから、その門戸を叩くことになる人が多いのかもしれません。