iDeCo(個人確定拠出年金)拡充は大歓迎

既に報道されているように、iDeCo(個人確定拠出年金。以下、iDeCo)制度が拡充されることになりました。5月末に改正年金法が可決され、その中でiDeCo加入対象者が拡大する等の変更がなされています。詳細は厚生労働省のホームページを見ていただきたいのですが、大きな拡充点は次の2つです。

拡充点(1):企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCoとの併用が可能に
拡充点(2):拠出年齢が「60歳まで」から「65歳まで」に長期化

(1)勤務先が企業型DCに入っている場合、その企業は毎月5万5000円まで拠出することができます。“できます”というのは、あくまで会社の任意ですから、1万円しか出さないと言われれば、社員はそれ以上の拠出金を出してもらうことはできません。

これが、2022年10月からiDeCoで2万円を上限として社員が個人的に拠出できるようになります。今までも会社の年金規約を変更すれば加入できたのですが、これからは規約とは関係なく、個人で拠出できるようになります。

もっとも、社員の立場からみれば、会社が上限の5万5000円を全額払ってくれる方が望ましいのですが。

(2)20代からiDeCo(個人確定拠出年金)で積み立てできれば40年くらいは運用できるわけです。平均毎月2万円ずつ運用できたとすれば、65歳時に元本だけで960万円が残せますし、仮に平均3%で運用できれば1857万円になります。

これで老後資金2000万円不足問題もほぼ解決です。ただし、年平均3%以上のリターンで運用できる投資信託に、“初めから”運用して、40年間継続する必要があります。ここが難しいところでもあります。

図表1:iDeCo(個人確定拠出年金)加入者数と登録事業者数の推移

出所:企業年金連合会のホームページから抜粋