値段が高いのにはわけがある

値段の高さの理由ですが、まず、指定難病の治療薬ということで、開発費や製造費が高くなってしまうということが挙げられます。

また、類似薬である『スピンラザ』(ヌシネルセンナトリウム)の値段を参考にして設定されているためです。

厚生労働省「再生医療等製品の保険償還価格の算定について」を参考に筆者作成

『スピンラザ』は、『ゾルゲンスマ』と同じ脊髄性筋萎縮症の治療薬ですが、遺伝子を増やすのではなくタンパク質が生まれる確率を増やす作用の薬です。『スピンラザ』は1回の値段は949万3024円ですが、繰り返し投与が必要なため11倍の値段である、1億422万3264円が基準と考えられました。

さらに、『ゾルゲンスマ』は、使用することで根治する可能性があるということで有用性加算Ⅰ(50%)、画期的な新薬ということで先駆け審査指定加算(10%)計60%が上乗せされることにより、1億6707万7222円という日本一高い薬となったのです。