機会費用法とは簡単に言うと、「外で働くことで得られる予定だった1時間当たりの賃金」を家事の時給とみなしている…ということ。つまり、時給に「何をしたのか」が反映されるのではなく「誰がしたのか」が反映されている…というわけなんですね。
それはこの先、女性が外で働くときの平均賃金がアップすれば、当然家事も「昇給」する、ということです。
家事代行サービスの料金に当てはめてみたら…
実際に時給として見てみると、「やっぱり!家事って結構高いんだ」とよろこんだのもつかの間、機会費用法にがっかり…という方も多いはず。
「たまに食事を作ってくれたと思っても、台所はぐっちゃぐちゃで目も当てられない惨状。ちょっと買い物のあいだ子供を見ておいて、と頼んでもYouTubeに子守をさせて自分は高いびき…。そんな夫のほうが家事の時給が高いなんて考えられない!」と、この結果を見た筆者の知人は立腹していました。
では、別の計算方法として、家事代行サービスの料金を家事にそのまま当てはめてみましょう。家事代行サービス「ベアーズ」によると、料理代行のスポットサービスは1回3時間で交通費・税込み1万4117円(※2)。交通費を抜いても、料理だけで時給4400円です。主婦の日常的な感覚からすると、多くの方が即座に「高い!」と感じるのではないでしょうか。
そもそも家事代行は、全くの他人に家事サービスを提供する仕事。その点主婦の家事は家族のためであるとともに、自分のためでもあるのですから、同じ土俵で考えること自体に無理がありそうです。
では、いったい「家事の時給」とは、いくらが適正なのか…? いくら考えても正解はでてこないのではないでしょうか。なぜなら、家事に対する考え方や価値観は人それぞれ。また自分が認める“家事”レベルがどのぐらいなのかも人それぞれ。「最低限寝られる、食べられる程度でいいや」と思う人もいれば、「家族のために、料理も掃除も最高レベルで!」という人もいるはず。