そもそも「家事の時給」というのは、曖昧模糊としていて、どんな方法で算出しても「それくらいだろうな」という納得感には至らないのかもしれません。
それにもかかわらず、なぜ「家事を時給に換算する」というある種不毛ともいえる作業の結果が気になるのか?といえば… それは、主婦が「やりがいを感じたいから」。
もはや毎日のルーティーンとなっている家事、自分自身も「やって当たり前」と思っていながらも、家族に家事の大変さを理解してもらいたい。何より自分自身が「これだけ自分は価値のある『労働』をしているのだ」ということを実感したい…。金額云々ではなく、それが本心なのではないでしょうか。
時給換算してみて…大切なのは「そのあと」
主婦の家事労働を時給に換算することで、「私の毎日の家事は、これくらいの価値がある」と明確に認識することができます。しかし、大切なのは時給に換算した「そのあと」。
家事の価値を金額で表すことによって、日ごろの家事が「労働」にほかならないこと、それがどれだけ大変であるかを「見える化」し、「夫婦間の家事シェア」のきっかけづくりにしてみませんか? 同時に、無駄な作業をしていないかを見直すことにもつながるかもしれません。
そうすることで初めて「家事の時給換算」に意味が出てくるのではないか…と思うのです。
【参考】
(※1)男女別の家事活動の貨幣評価「無償労働の貨幣評価」内閣府経済社会総合研究所
(※2)家事代行のベアーズ(スポットプラン料金は2020年6月4日時点)
大中 千景