シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回はファミリー向けイタリアンレストラン「サイゼリヤ」を運営するサイゼリヤ(7581)の、2020年5月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。
直近の月次実績
2020年6月2日に更新されたサイゼリヤの2020年5月既存店売上高は、対前年同月比47.8%。内訳は客数47.6%、客単価100.4%と、新型コロナの影響で客数が急減しており、対前年同月比で50%にも届かない大幅なマイナス成長となりました。
また全店売上高も44.9%で、既存店・全店ともに対前年同月比40%台の厳しい数字となりました。
今期の既存店売上高の振り返り
では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は8月決算)。
既存店売上高については、2月までの上期はプラス成長月3カ月・マイナス成長月3カ月(いずれも90%台)という状態でした。しかし新型コロナ問題が本格化した3月以降の下期は、対前年同月比で3月78.5%、4月38.6%、5月47.8%と低迷。ただし5月は4月比で数字は改善しており、最悪期は脱した状態です。
全店売上高も既存店同様の推移を見せており、5月(対前年同月比44.9%)は4月(同33.0%)に比べ改善が見られています。
過去1年の株価動向
最後に同社の株価動向を見ていきましょう。
同社の2019年の株価は2,800円台を天井とする値動きが続き、2020年1月も2,811円到達後に反落しました。そして2月からの株式市場全体の急落を受け、3月には1,649円まで下落しています。その後Wボトムパターンの形成により、4月の安値1,608円を付けた後に反転し、現在は2,200円前後の水準で取引が行われています。
新型コロナの影響下、既存店・全店ともに売上高は4月がボトムとなった可能性が高い状態です。緊急事態宣言解除明けの6月に数字がどの程度伸びるのかが注目されます。
参考資料:サイゼリヤ月次報告(2020年8月期)
LIMO編集部