新型コロナウイルスの脅威に、相次ぐ自然災害。いろいろ病気や災害を乗り越えてサバイブできたとしても、今度は「長生き」がリスクになる可能性もあります。

長生きのリスクに備え、みなさんどのくらい貯蓄をしていますか。気になる60代のお金事情について、2020年5月15日に総務省から発表された2019年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」を中心にまとめてみました。

今の60代は、どんな世代か

今の60代の方々は「ポパイ・JJ世代」と言われています。若者向け雑誌の「ポパイ」、「JJ」とともに青春時代を過ごした世代です。

戦後のベビーブームで生まれた「団塊の世代」が今の70代なので、「団塊の世代」の次にくる世代でもあります。

社会人として脂がのっているころに、バブル経済やその後のバブル崩壊など、現役時代に、いくつもの荒波を潜り抜け、日本の凋落を体感してきたと言えるでしょう。

現在、60代の方の中には、定年退職を60歳で迎える方もいる一方、65歳に定年が延長されたことで、予定よりも現役期間が延びたという人もいます。

ひと昔前であれば、60歳で定年を迎え、退職金と公的年金、そして老後のために蓄えておいたお金を使って、ゆとりの老後生活を楽しむのが一般的でした。

現代では、働き方が多様化したことで、60代でもまだまだ働いている方が多く、まさに働き方改革の過渡期にいる世代とも言えます。

60代の平均の貯蓄額はいくらか

それでは、2020年5月15日に総務省から発表された2019年の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の「図Ⅲ-5-1高齢者世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布(二人以上の世帯)」より、高齢者世帯と全世代の貯蓄残高を比較してみます。