コロナ禍の影響でキャッシュレス決済が浸透

一方、消費者の変化はどのようなものがあるでしょうか。シェアリングテクノロジー株式会社が2020年5月に20代以上の男女300人に実施した「緊急事態宣言下におけるキャッシュレス決済の意識変容」に関するアンケート調査によると、「不特定多数が接触する現金に抵抗を感じる」が「感じる」「やや感じる」で全体の64%を占めました。

それに伴い、実際にキャッシュレス決済に移行した人は87.4%にものぼります。「移行はしていないが検討はしている」と答えた層も10.3%おり、ほとんどの人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけにキャッシュレスに対する意識を強めた様子がうかがえます。これは現金に対する抵抗はもちろん、外出自粛期間が長引いたことでオンラインショッピングの機会が増えたことも理由のひとつでしょう。

また、従来のキャッシュレス決済方法だった「クレジットカード」に対しても、端末にタッチするだけの「非接触型」へのニーズが34.7%もありました。すでに数社が専用リーダーにタッチするだけという、サインレスで利用できる機能を搭載したカードを発行しており、手渡しによるクレジットカード決済のシステムも変化していくものとみられています。