『女王の花』

著者:和泉 かねよし
刊行:小学館

ストーリー:時は古代。亜国(あこく)の正室の子として生まれながら、冷遇され育ってきた姫・亜姫(あき)。唯一の味方は、金髪碧眼で奴隷の薄星(はくせい)。薄星は亜姫に忠誠を誓い、運命を共にすることを誓う。酷い扱いを受けながら、亜姫は美しく成長。途中、商人である青徹から教育を受け文武ともにその才能を開花させていく。

そんな亜姫を疎ましく思う側室の土姫は、亜姫の母を毒殺する。亜国を追われる亜姫だが「いつか必ず亜国に戻る。そして土姫を討つ」と心に誓う。

幾多の試練を乗り越え、とうとう土姫を討ち亜国の女王となった亜姫。自らの贅沢、幸せすらも求めず、ただ国民を想って国政を行う亜姫は、皆から慕われ歴代最上の女王と讃えられた。だが、彼女が自らの死期にたった1つ望んだこと、それは「どんな願いでも叶う『女王の花』を探してきてほしい」だった。

所々で「クスッ」と笑える和泉かねよしさんの作品、大好きなんです。ということで、こちらの作品は完全に「作者読み」した作品でした。でも、今この時期に読んで良かった…と思いました。

歴史物って何となく難しそう…しかも日本じゃなくて他国だし…と思って敬遠していた作品だったのですが…。でも時間がある今だからこそと思って読んだら、亜姫の言葉が、今の日本の政治や国情を表していると思って、大きく「うん!うん!」と頷きながら読んでしまいました。

少女漫画らしく、青徹への憧れと好意を混ぜ合わせたような少女時代に感じる淡い感情、そして薄星との深い絆から生まれる愛情、そんな素敵なラブストーリーが読める作品でもありますよ。

小説も「有名だけれど読んでいなかった」作品から

続いては小説からおすすめ作品をご紹介します。筆者個人的には浅田次郎さんの作品は一通りおすすめです!ですが、今回はこちらの作品をおすすめします。

『告白』

著者:湊 かなえ
刊行:双葉社

ストーリー:「娘は死にました。このクラスの生徒に殺されたのです」――あるクラスのホームルームでそう語ったのは、クラスの担任である女性教師・森口だった。森口が教師を辞めると言い迎えたホームルーム。それはいつものホームルームではなく衝撃の『告白』から始まったのでした。

ベストセラーであり、映画やドラマにもなったので、知っている方も多いことでしょう。筆者も映画を見ました。でも、まだ原作を読んでいなかったんです。出版元である双葉社が2020年5月4日~31日まで、全文を無料公開していることを知り、読みました。やっぱり、文章で読むと自分の感情や経験、そして読み進めるうちに自分の想いも乗っかって来るので、また違った感情で読むことができますね。

自身も子どもを持った上で読むと、映画を観たときとはまた違った想いを感じることができました。