感染症を引き起こす「菌」がコッホにより発見されたのは1870年代であり、それ以前は「貧しい人がかかる病気だ」「人為的な毒殺だ」といった噂が広がっていたようです。このような噂は為政者に対する「暴動」に繋がる恐れがあります。また感染症の流行による労働人口の減少は、資本家の収入減少や国力の低下を意味していました。

そこで、「公衆衛生法」という法律制定やインフラ整備、保健所の設置に繋がるのですが、当時は国家による個人への介入と捉える動きもあり、必ずしも歓迎されなかった面もあります。

大きくまとめてしまうと、感染症の流行による生命や経済のダメージが権力者にまで及び、それに対処するために法律が制定され、税金などの資金が投入され、感染症対策としての「インフラ整備」が試行錯誤を繰り返しながら進んでいくという流れになります。

投資~感染症対策などの社会的課題を解決するために、お金の流れをつくる~

現代においては、感染症の流行といった世界全体の社会的課題を解決する主体は国家だけではありません。ヒト・モノ・カネの移動が鈍ると、経済活動を行う企業も立ち行かなくなることから、実際多くの企業がワクチン開発企業への出資、設備や労働力の医療用品生産への転用を支援策として実施しています。

また、社会的課題は感染症の流行だけではありません。国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)で解決すべき17のゴールとして掲げられている貧困問題や気候変動問題等も、解決しなければ人類の歴史に危機的局面をもたらすおそれが大きいものです。こうした社会的課題に対しても、長期的な視野から企業が対策を実施しているケースがあります。

こうした社会的課題の解決に向けた取組みは、国家や企業、またNPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)など、その主体は大きな広がりを見せています。「ESG投資」や「社会的インパクト投資」の枠組みで、投資によって社会的課題の解決を後押しする動きも加速しているのが現状です。

今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、私たちの日常生活にも大きな変化をもたらす重いものではありますが、あらゆる事象は捉え方によって変わります。軽々にはいえませんが、あえて誤解を恐れずにいえば、これを「世界全体の社会的課題に目を向ける一つの機会」として捉えてみてはいかがでしょうか。

以上、貸付型クラウドファンディングを通じて投資家の皆様の資産形成と世界の成長をつなぐクラウドクレジットでした。

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