最近、身のまわりで「結婚していない人が増えた」と感じることはありませんか。
実際、内閣府が公表している「令和元年版 少子化社会対策白書」によると、「50歳時の未婚割合」は1970年に男性1.7%・女性3.3%であったのが、2010年の国勢調査時には男性20.1%・女性10.6%、2015年には男性23.4%・女性14.1%にまで上昇しています。
そこで今回は、未婚でいると決めた人たち3人にお金に関する悩みを聞いてみました。夫婦や子どものいる家庭に関するお金の悩みはよく取り上げられますが、未婚の人たちにもお金の悩みがあるようです。
ケガや病気で働けなくなったときのことが不安
金融機関で管理職として働く40代のAさん。彼は「今すぐに経済的な不安があるというわけではないけれど、自分がケガや病気で働けなくなったときのことが心配」と言います。
「金融機関といえども、ウチのような中小の信金ではそこまで収入があるわけでもない。正直なところ、老後2,000万円問題が騒がれたときにソワソワした1人。お金に関する仕事をしているといっても、自分のお金の管理がキチンとできているわけでもない」とAさん。
「後輩や部下には奢らないといけないという文化もあるし、飲み会を断りたくても、所帯持ちじゃないから『嫁に怒られる』とか『子どもをお風呂に入れなきゃいけない』という言い訳が使えないのがツラい」と肩を落とします。
「毎日コンビニ弁当や外食にお金を使っていて生活も不規則。それを家庭がないせいにしちゃダメだとは思うけど、規則正しい生活をするモチベーションもない。こういう生活をし続けていると体を壊しそうだし、病気やケガで収入がなくなったときの支えがないと思うと不安になる」と話してくれました。
たしかに夫婦で働いていれば、一方が働けなくなったときにはもう一方が支えることもできるでしょう。その点に不安を感じるというAさんの話もうなずけます。
1人で生きていけるお金があるのにローンが通りにくい
続いては、40歳の誕生日を迎えて生涯独身を決めたというBさん。彼女は中堅広告代理店で派遣社員として働いています。
「1人の生活なので、今のような中小企業の事務の派遣社員で十分。特にぜいたくもしないし、バリキャリを目指すというよりは自分のペースで働いて、余暇を楽しみたい。男性アイドルの追っかけをしているけれど、出費についてはうまくセーブできているし、問題ないかな」と話します。
では、お金の悩みは何かというと、「1人で暮らしていくために分譲マンションを買おうと思ったけれど、住宅ローンで壁にぶつかった。派遣社員だからというのが大きいと思う。でも、こう見えて結構貯金があって、頭金を多めに出すことでなんとか解決できたけれど、住宅ローンの審査に次々落ちたときは不安で仕方なかった」と話してくれました。
「ネットでいろいろ調べたら、金融機関は『融資の際に考慮する項目』として性別や家族構成を見ると書いてあってガックリきた。もちろん住宅ローンの審査に落ちた大きな要因は派遣社員であることなんだろうけど、そういう調査結果を読んで『やっぱり独り身の女性ってマイノリティなのかな』と暗い気持ちになった」と教えてくれました。
おそらくBさんの話に出てきたのは、国土交通省が公表している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の「融資を行う際に考慮する項目」を取り上げた記事だと思われます。この調査では、性別を考慮すると回答した金融機関は15.1%、家族構成を考慮すると回答した金融機関は21.7%という結果になっています。
親の老後、介護離職しなければいけないかと心配
最後は、教師として働く40代後半のCさんです。「親の老後が心配。今は2人とも健康だけれど、同僚や大学の同期から『親が入院した』とか『親が要介護になったから妻に面倒を見てもらっている』という話を聞くとどうにも不安になる」と言います。
自分は一人っ子で家族もいない。自分だけで介護をしようと思うと今の仕事をやめざるをえない。施設に入れられるほどお金はないし、介護離職って意外と身近なものなんだと最近感じるようになった。そうなると今の収入は維持できないし、一方で介護費用がかかるというのがとても不安」とのこと。
「正直に話せば反感を買うかもしれないけれど、親が闘病とか介護なしにぽっくり逝ってくれたらと思うことがないわけでもない。自分はどちらかと言えば親との仲は良好だったけれど、親が生きているということを重荷に感じてしまう一方で、それに罪悪感を感じるのがしんどい」と本音を漏らしていました。
夫婦でいたとしても介護は大変な問題ですから、結婚したからといって何もかもが解決するわけではありません。ただ、1人で両親の介護をするのには確かに無理があります。Cさんのように、介護離職が現実味を帯びてきている人もいるかもしれません。
おわりに
今回は独身男女にお金の悩みについて聞いてみましたが、どれも不安を感じて無理はないと思える問題でした。夫婦で過ごすにも家族で過ごすにも、そして独身で過ごすにも、それぞれのライフプランを早めに明確にして、不安をつぶしていく必要がありそうですね。
【参考資料】
「令和元年版 少子化社会対策白書 全体版(PDF版)」(内閣府)
「平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」(国土交通省)