たしかに夫婦で働いていれば、一方が働けなくなったときにはもう一方が支えることもできるでしょう。その点に不安を感じるというAさんの話もうなずけます。

1人で生きていけるお金があるのにローンが通りにくい

続いては、40歳の誕生日を迎えて生涯独身を決めたというBさん。彼女は中堅広告代理店で派遣社員として働いています。

「1人の生活なので、今のような中小企業の事務の派遣社員で十分。特にぜいたくもしないし、バリキャリを目指すというよりは自分のペースで働いて、余暇を楽しみたい。男性アイドルの追っかけをしているけれど、出費についてはうまくセーブできているし、問題ないかな」と話します。

では、お金の悩みは何かというと、「1人で暮らしていくために分譲マンションを買おうと思ったけれど、住宅ローンで壁にぶつかった。派遣社員だからというのが大きいと思う。でも、こう見えて結構貯金があって、頭金を多めに出すことでなんとか解決できたけれど、住宅ローンの審査に次々落ちたときは不安で仕方なかった」と話してくれました。

「ネットでいろいろ調べたら、金融機関は『融資の際に考慮する項目』として性別や家族構成を見ると書いてあってガックリきた。もちろん住宅ローンの審査に落ちた大きな要因は派遣社員であることなんだろうけど、そういう調査結果を読んで『やっぱり独り身の女性ってマイノリティなのかな』と暗い気持ちになった」と教えてくれました。

おそらくBさんの話に出てきたのは、国土交通省が公表している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の「融資を行う際に考慮する項目」を取り上げた記事だと思われます。この調査では、性別を考慮すると回答した金融機関は15.1%、家族構成を考慮すると回答した金融機関は21.7%という結果になっています。