株式市場の振り返り-様子見スタンスが強い中、見どころなく3日続落

2016年7月7日(木)の東京株式市場は3日続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.7%の下落、TOPIXも▲0.7%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲3.0%の大幅下落となりました。

日経平均株価は、前日比▲32円安で寄り付いた後、前場はやや粗い値動きとなりました。前場の早い時期には一時+39円高とプラス転換しましたが、その後は再びマイナス圏に沈みます。後場もマイナス圏が続く中、徐々に下げ幅が拡大して▲137円安となる場面がありました。大引けは▲102円安の15,276円で終わっています。

東証1部で上昇したのは484銘柄、値下がり1,337銘柄、変わらず146銘柄でした。東証1部の出来高は18億3,293万株、売買代金は1兆8,577億円(概算)となっています。前日の売買はやや活況でしたが、再び薄商いに転じました。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中28業種が下落、極端に売られた業種は見られず

東証1部で上昇したのは5業種、下落したのは28業種でした。上昇した業種はディフェンシブ・セクターばかりですが、下落業種にも幾つか見られています。全体的には、極端に大きく売り込まれた業種はなく、前日まで弱さが目立っていた金融関連セクターも小動きでした。

個別銘柄では、前日にQ1決算を発表したイオン(8267)が急落し、ファミリーマート(8028)や高島屋(8233)などの小売株も値を下げました。また、KDDI(9433)やソフトバンクグループ(9984)などの通信株、住友不動産(8830)などの不動産株も下落が目立ちました。一方、エーザイ(4523)、コマツ(6301)などが上昇し、ファーストリティリング(9983)も堅調でした。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は連日の大幅安で3日続落、終値は1,000ポイント割れ

東証マザーズ総合指数も3日続落となり、前日に続く▲3%の大幅下落でした。前場は堅調に推移しましたが、後場は徐々に売りが優勢となり、大引けに掛けて下げ幅を拡大しました。ほぼ安値引けとなり、終値でも6日ぶりに1,000ポイントの大台割れとなりました。値上がりが52銘柄、値下がりは173銘柄、変わらず8銘柄でした。また、出来高も6,633万株、売買代金は1,602億円に止まっており、薄商いが続く結果となりました。閑散相場を打破するような材料が欲しいところです。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)を始めとする医療バイオ関連銘柄は全滅状態となり、軒並み大幅安となりました。ただ、ストップ安となったのはアンジェス MG(4563)くらいでした。また、情報通信関連もほぼ下落しましたが、医療バイオ関連に比べると下落率は小さかったようです。さらに、時価総額の大きいCYBERDYNE(7779)とミクシィ(2121)も下落こそしましたが、小幅安に止まりました。

本日(7月8日)の注目点-米国の雇用統計発表を控えて様子見スタンス強まる可能性大

7日の株式相場はほぼ予想通りの展開となりました。8日(金)のミニSQ(特別清算指数算出日)を乗り越えた後も、米国で発表される雇用統計の結果待ちとなるため、大きな動きはないと見られます。逆に言うと、それだけ閑散相場となり、取引時間中の値動きを粗くする揺さ振りがあるかもしれません。十分注意したいところです。

セクター別では、Q1決算発表が本格化している小売セクターへの注目を継続します。決算発表後、あるいは、月次の売上動向等の発表により、株価が大きく変動した銘柄に着目しましょう。特に、実態以上に売られ過ぎの銘柄は投資好機になる可能性も十分あります。また、なかなか円安転換しない為替相場を鑑み、円高メリットを享受できる銘柄の下値にも注視することが望ましいと考えます。

米国の雇用統計発表を控えて大型株が手控えられる可能性が高い分、新興株式市場は物色の対象となると考えられます。ただ、現在は物色材料やテーマに不足しているため、個別銘柄の下値を狙う動きがより一層強まると見られます。その意味では、7日の下落した相場には十分注目できます。元々、値動きが粗いことを理解した上で、慎重に臨むスタンスが求められます。

青山 諭志