焦っていたのはアラサーまで?

そんな「両親亡き後の世話」に不安を覚える兄弟の気持ちを知ってか知らずか。当の本人たちはいったいどのように考えているのでしょうか。

・「親が私を腫れもののように思っていることは気づいています。だけど、特に出会いもないし、今から仕事をバリバリするつもりもないし。『自立しろ』なんて言われたこともありましたが、無理して家を出てカツカツの生活を送ることが偉いなんて考え方は古い気がします。確かに30歳の誕生日に『こんなはずでは』なんて思ったのは覚えていますが(笑)今は親もまだ元気だし、そんな悲観しないでもきっとどうにかなると思っています」

・「高校生のとき私が買ってきた愛猫がいます。一人暮らしをしたらこの子にさみしい思いをさせてしまうので、ずっと家にいる感じです。猫を連れてお嫁に行こうと思っていた時期もありましたが、老後に環境が変わるのもかわいそうだし。この子が生きている限りは私も今の生活を変えるつもりはありません」

長期的視野で心配する家族に対し、短期的視野で楽観視する子供部屋おばさんたち。その溝が埋まらないのも納得です。