最近は、子ども1人あたりにかける教育費が高くなっているという話を耳にします。その一方で、世帯収入はそう簡単には上がりません。親世代は子どもたちの教育費を用意するのと同時に、自分たちの老後資金を貯めることも求められます。
人生100年時代と言われ、これまで以上に老後の蓄えが必要になる中、子どもの教育にかけるお金とのバランスも気になるところです。老後資金と教育費の現状を見た上で、ある夫婦に聞いた話を紹介します。
老後資金と教育費にはいくら必要なのか
まずは、子どもの教育費用と老後資金それぞれに、いくらくらい必要になるのかを見ておきましょう。
老後資金の目安
総務省統計局が公表している「家計調査報告(家計収支編)2019年」によると、「高齢夫婦無職世帯」(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の1カ月あたり平均の消費支出・非消費支出は270,929円、実収入は237,659円、うち社会保障給付は平均216,910円となっており、不足分は33,270円となっています。
もし60歳で定年退職して65歳から年金を受け取るとしたら、その5年間は社会保障給付による収入はありません。一方、上記の消費に関する平均額で計算すると、この5年間の支出は27.1万円×12カ月×5年間=1,626万円となります。