犬は「人間の最良の友」ともいわれます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で不安な生活を送るなか、これまで以上に愛犬のつぶらな瞳に癒されているという人も多いのではないでしょうか。
在宅時間が増えた今、家族のコミュニケーションに一役買ったり、テレワークの邪魔(?)をしたり…。けなげなワンちゃんたちの様子が、SNSでも多く投稿されています。
今回は「犬の飼育」に関するデータについてみていきたいと思います。
どれくらいの犬が飼われているの?
まず、一般社団法人ペットフード協会の「令和元年(2019年)全国犬猫飼育実態調査」をもとに、犬・猫の飼育頭数をみていきましょう。
飼育頭数では猫におされ気味
同調査の「主要指標サマリー」(p17)によると、2019年10月時点で、全国では約879万7000頭の犬と、約977万8000頭の猫が飼育されています。
過去5年間の推移はこんな感じです。生活を共にするペットとしては永遠のライバル(?)である猫と比較しながらみてみましょう。
- 2015年
犬…943万8000頭
猫…927万7000頭
- 2016年
犬…935万6000頭
猫…930万9000頭
- 2017年
犬…892万頭
猫…952万6000頭
- 2018年
犬…890万3000頭
猫…964万9000頭
- 2019年
犬…879万7000頭
猫…977万8000頭
飼育頭数では、犬が緩やかに減り、猫が増えていますね。
犬を飼うにはどれくらいお金がかかるの?
次に、同調査の「犬 飼育・給餌実態と支出」(p37-38)より、犬の飼育にかかるお金についてのデータをみていきます。
1カ月にかかるお金は?
犬に関する支出総額(1カ月あたり、医療費等を含む)
平均 1万2594円(中央値 1万円)
・1頭飼育者…1万1562円(中央値 8500円)
・複数頭飼育者…1万8642円(中央値 1万5000円)
犬の一生に必要なお金は?
次に、犬の平均寿命と生涯必要経費の推移をみてみましょう。この必要経費は、犬の年齢ごとに算出した平均支出金額を平均寿命まで足し上げて算出した金額です。
まずは「犬全体」
- 2017年
平均寿命…14.19歳
生涯必要経費…160万827円
- 2018年
平均寿命…14.29歳
生涯必要経費…179万3005円
- 2019年
平均寿命…14.44歳
生涯必要経費…200万4139円
次に、犬の大きさ別にみていきます。
超小型犬
- 2017年
平均寿命…15.01歳
生涯必要経費…178万1083円
- 2018年
平均寿命…15.01歳
生涯必要経費…200万4449円
- 2019年
平均寿命…15.20歳
生涯必要経費…220万1448円
小型犬
- 2017年
平均寿命…14.66歳
生涯必要経費…157万4724円
- 2018年
平均寿命…13.91歳
生涯必要経費…174万5551円
- 2019年
平均寿命…13.99歳
生涯必要経費…186万4155円
中型・大型犬
- 2017年
平均寿命…13.29歳
生涯必要経費…153万798円
- 2018年
平均寿命…13.36歳
生涯必要経費…148万3482円
- 2019年
平均寿命…13.69歳
生涯必要経費…190万3980円
「犬全体」でみると平均寿命の上昇は緩やかですが、この3年間で生涯必要経費は1.25倍と大きく増えていますね。
お散歩や病院に行く頻度は?
では、いったんお金の話から離れ、ワンちゃんたちの日常についてみていきましょう。同調査(p42)から、「お散歩」と「動物病院」に行く頻度に関するデータをみていきます。
飼い主の世代別にみた「お散歩に行く頻度」
- 全世代合計(平均値7.22回)
週3回未満…25.3%
週3-7回…46.2%
週8-13回(1日1回以上)…3.8%
週14回以上(1日2回以上)…24.7%
- 20代(平均値6.17回)
週3回未満…22.1%
週3-7回…59.3%
週8-13回(1日1回以上)…2.3%
週14回以上(1日2回以上)…16.3%
- 30代(平均値6.32回)
週3回未満…27.5%
週3-7回…52.3%
週8-13回(1日1回以上)…1.3%
週14回以上(1日2回以上)…19.0%
- 40代(平均値6.43回)
週3回未満…28.9%
週3-7回…47.3%
週8-13回(1日1回以上)…5.0%
週14回以上(1日2回以上)…18.9%
- 50代(平均値7.29回)
週3回未満…26.2%
週3-7回…46.4%
週8-13回(1日1回以上)…3.2%
週14回以上(1日2回以上)…24.2%
- 60代(平均値7.63回)
週3回未満…22.4%
週3-7回…44.7%
週8-13回(1日1回以上)…4.1%
週14回以上(1日2回以上)…28.8%
- 70代(平均値8.83回)
週3回未満…22.9%
週3-7回…34.7%
週8-13回(1日1回以上)…5.9%
週14回以上(1日2回以上)…36.5%
飼い主さんの世代が上がるごとに、お散歩にでかける回数が多くなっていますね。
犬の年齢層別にみた、「最近1年間で動物病院へ行った回数」
- 全年齢(平均値4.08回)
0回…13.8%
1回…20.1%
2~3回…29.5%
4~6回…19.3%
7~10回…8.0%
11回以上…9.3%
- 幼年期:0歳(平均値4.31回)
0回…10.2%
1回…16.3%
2~3回…22.4%
4~6回…28.6%
7~10回…18.4%
11回以上…4.1%
- 成年期:1~6歳(平均値3.66回)
0回…15.8%
1回…21.4%
2~3回…29.4%
4~6回…17.5%
7~10回…8.3%
11回以上…7.5%
- 高齢期:7歳以上(平均値4.36回)
0回…13.0%
1回…18.9%
2~3回…30.4%
4~6回…19.7%
7~10回…6.9%
11回以上…11.0%
犬の医療費って?
通院の回数をみたところで、犬の医療費についても触れておきたいと思います。
ペット保険大手のアニコム損害保険株式会社が刊行する「アニコム家庭どうぶつ白書2019」によると、犬の診療単価の全国平均は1万183円(平均年齢5.2歳)とのこと(※)。
※2017年度に同社のペット保険「どうぶつ健保」の契約を開始した犬56万6296頭のうち、1年間の保険契約期間中に請求があった257万4928件の診療(通院のみ)に関して、1回の診療にかかった費用の平均です。
また、同社ホームページによると、「ケガや病気で7日間入院した場合の治療費として、初診料、入院料、点滴、血液・レントゲン検査・注射料・麻酔・手術の合計で26万7840円かかる例もある、とのこと。
人間とは違い動物には健康保険制度はありませんので、これらすべてが飼い主の自己負担となります。
「自由診療」であるがゆえ、診察料は病院ごとに異なります。つまり、獣医さんの“言い値”で決まってしまう部分があるわけです。ワクチン接種などでも、定期的に通うことになります。愛犬や飼い主と相性がよく、信頼できるかかりつけ医に出会えるとよいですね。
さいごに
家族の一員として迎えた愛犬には、元気で長生きしてもらいたいもの。まずは、日ごろの健康管理が大切です。医療費がどれだけかかるか心配…という人は、ペット保険への加入を検討してもよいかもしれません。
「ステイホーム」。おうち時間が長くなる今、飼い主さんと一緒に過ごせる時間が増えて大喜びのワンちゃんたちも多いことでしょう。お散歩は「“3密”を避け、短時間」を心がけつつ、人も犬もリフレッシュしましょう。
【参考URL】
「令和元年全国犬猫飼育実態調査」一般社団法人ペットフード協会
「どうぶつ医療を取り巻く環境」アニコム家庭どうぶつ白書2019 アニコム損害保険株式会社
「はじめてのペット保険」アニコム損害保険株式会社
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池上 翠