株式市場の振り返り-深刻な閑散相場が続く中、日経平均株価は7日ぶりに反落
2016年7月5日(火)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.7%下落して7日ぶりの反落、TOPIXも▲0.4%下落する3日ぶりの反落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲1.3%下落し、こちらも7日ぶりの反落となりました。
日経平均株価は、前日比▲93円安で寄り付いた後は下げ幅を拡大し、前場の半ばには一時▲173円安まで下落しました。その後はやや切り返す場面もありましたが、大引けは▲106円安の15,669円で終わっています。昨年11月以来の7連騰はならず、6月24日の急落以降続いていた連騰は6日で終わりました。
東証1部で上昇したのは726銘柄、値下がり1,102銘柄、変わらず136銘柄でした。東証1部の出来高は15億7,847万株、売買代金は1兆5,773億円(概算)となっています。売買高は今年最低水準を更新し、売買代金は今年3番目に低い結果となりました。深刻な薄商いが続いています。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中24業種が下落、金融セクターの不振が顕著
東証1部で上昇したのは9業種、下落したのは24業種でした。上昇率上位には、繊維や陸海運などディフェンシブ・セクターが名を連ねました。下落した業種の中では、銀行を始めとする金融セクターの不振が目立っているのが特徴です。
個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)や良品計画(7453)などの小売株が値を下げ、ファナック(6954)、エーザイ(4523)、ホンダ(7267)なども下落しました。また、村田製作所(6981)などの電子部品株も軟調に推移しました。一方、キーエンス(6861)が年初来高値を更新し、いすゞ自動車(7202)も値を上げました。また、ライオン(4912)と資生堂(4911)も連日で上昇しています。
東証マザーズ市場の動き-久々の7連騰は成らずも、下落は比較的小幅に止まる
東証マザーズ総合指数は、久々の7連騰が期待されましたが、日経平均株価同様に7日ぶりの反落となりました。朝方こそ前日比プラスで推移したものの、後場は大きく下げる場面もあり、利食い売りが出たと推測されます。ただ、終値では1,000ポイントは維持しました。出来高は7,367万株、売買代金は1,482億円でした。売買代金が前日より大幅ダウンとなったのが気掛かりです。なお、値上がりが59銘柄、値下がりは169銘柄、変わらず3銘柄でした。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)、グリーンペプタイド(4594)、アキュセラ(4589)、ヘリオス(4593)などの医薬バイオ関連銘柄が軒並み下落しました。ただ、極端に下落する銘柄は見られず、指数下落への影響は限定的だったようです。時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)は小幅に下落しましたが、ミクシィ(2121)は逆に小幅上昇となっています。
本日(7月6日)の注目点-エネルギー不足の閑散相場の中、小売セクターへの注目継続
5日の株式相場は反落となりましたが、株価指数の下落は懸念するものではありません。適度な調整と考えられます。しかし、売買の活況が大きく落ち込んでいるのが心配です。このような場合、市場のエネルギーが不足しているため、下落時には大幅に値を下げるリスクがあります。6日(水)も引き続き注意が必要と思われます。
そのような超閑散相場の中、唯一賑わっているのが、Q1決算(2月期決算)が本格化している小売セクターです。5日は主力銘柄に対する売りが優勢となりましたが、6日以降もQ1決算内容次第ではダイナミックな株価の動きが期待できます。好決算銘柄の下値は、慎重に拾っていくスタンスが望ましいと考えられます。
5日は小幅下落に止まった新興市場ですが、7月中旬にはLINEのIPOを控えており、徐々に注目度が下がる可能性があります。残念ながら、現在は大きなテーマや材料に不足しているため、好業績銘柄の下値を狙うオーソドックスな投資スタンスがいいでしょう。また、大型株と同様に、小売関連の銘柄にも注目したいと思います。
青山 諭志