21年に「中国標準2035」発表か
中国は15年、米国を除く世界に向けて中国経済圏を共同構築する「一帯一路」戦略も掲げた。中国国内で飽和しつつあるインフラ建設を周辺国に押し広げ、ASEAN諸国や中央アジア、東欧、南米、アフリカなどの社会インフラ構築を積極的に推進していく考えだ。この社会インフラ建設に沿って、中国スタンダード(中国標準)の技術を世界に流入していく狙いがある。
中国政府は、その中国仕様の標準(スタンダード)を制定するための「中国標準2035」プロジェクトを策定し、18年にその政策チーム(国家標準化委員会)を発足させた。「中国製造2025」によく似たネーミングであることから、「中国標準2035」はその後継計画とも考えられている。
しかし、グーグルでネット検索しても、「中国製造2025」のように多くの情報は出てこない。いや、中国版グーグルのバイドゥ(百度)で検索しても、出てくる情報はわずかだ。18年3月に国家質量検査局が中国工程院を中心にプロジェクトを発足させたことや、20年1月にこの第1次作業の完了報告会が開催されたことくらいだ。しかし、国家標準化委員会はすでに3月ごろに「2020年の国家標準化作業の要点」をまとめており、今後1年かけて専門分野ごとの策定作業を行う。おそらく、およそ1年もしたら「中国標準2035」戦略は正式に発表されることになるだろう。