同じ企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差解消の取り組みを通じ、どのような雇用形態でも納得できる待遇を受けられるようになるのです。

この法律は、多様な働き方を選べるようにするために制定されました。正規雇用と非正規雇用の賃金格差が、今後、どの程度縮まるかが注目されます。

会社員は学歴や会社規模で賃金に差がある

「ユースフル労働統計2019」によると、学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)は、男性は高校卒で2億1千万円、大学・大学院卒で2億7千万円となっています。

また、男性の60歳経過時点で退職金を得て、その後平均的な引退年齢まで非正規社員で働き続けた場合の生涯賃金は、高校卒で2億5千万円、大学・大学院卒で3億3千万円になります。企業別規模で見ると、大学・大学院卒の場合、10~99人では2億6千万円であるのに対し、1,000人以上は3億7千万円と規模によって大きな差があります。

生涯賃金は会社の規模や学歴によって収入に差が生じ、長く働くほど差は大きくなるのです。ただ、これは現在の賃金から推定した平均値。今後は年功序列が減り、実力主義が増えてきます。仕事を選ぶときは現状の収入だけでなく、労働時間や昇給などの労働条件や業界の将来性を考慮するようにしましょう。