「歴史に立ち返る」とは?

「歴史と相場は繰り返す」という投資の格言や、「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」というビスマルクの言葉にもあるように、「迷ったら歴史に立ち返ろう」というのが筆者からの提言なのです。

「歴史をみよう」というこの提言は筆者の思いつきではなく、ある種の合理性があります。歴史を紐解くと、人類はウイルス・細菌と生き残りをかけて過去に何度も戦ってきているのです。今回のようなウイルスのパンデミックは、個々人レベルでは初めての人も多いかもしれませんが、人類全体で見ると過去に何度も繰り返し起こっていることなのです。

そして人類と疫病との戦いの歴史を見ると、人類が完全に敗北を喫したことはただの一度もありません。人類は過去に何度もパンデミックの憂き目に遭い、多くの命を失いつつも必ず立ち上がってきました。天然痘、ペスト、スペインかぜはグローバル規模でみて、人類の数を数分の1規模で減らすほどの絶望的な疫病でした。しかも今と異なり、極小のウイルスの存在自体を認知できない時代を人類は長く過ごしています。

確かにCOVID-19は強敵です。しかし、過去の人類は、今ほど医療技術もテクノロジーも発達していなかった時代でも、数々のパンデミックを人類の叡智と抵抗力のあわせ技で乗り越えてきたのです。

短期・中期的にみると、この未知のウイルスとの戦いは苦戦するかもしれません。それでも長期的にみれば、人類は必ずこのウイルスを乗り越える時が来るでしょう。それが人類という生命体のたどってきた道であり、同時にこれから先の未来へと続く道だと確信しています。