1日には米食品医薬品局(FDA)が、新型コロナウイルスの治療薬として米医薬大手ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」の緊急使用を認可したと発表されました。これを受けて国内でも、厚生労働省が「特例承認」と呼ばれる制度で早期の承認を行う手続きに入り、早ければ1週間程度で承認される見通しです。

「今は絶好の買い場」という声もありますが、「バスに乗り遅れまい」という焦りから判断を誤らないようにしたいところです。国内は今週、大型連休で2営業日しかありません。市場参加者が少なく、急に値が動くこともあるので、注意しましょう。

一時半値戻しで2万円台を回復。足元では2万円の攻防が続くか

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末までは5日移動平均線を挟んで小刻みな動きが続いていました。

先週は週初27日に窓をあけて上昇して寄り付くと、そのまま陽線引けとなりました。30日にはさらに窓をあけて上昇し、終値ベースで2万円を回復するも、翌5月1日には再び2万円を割り込みました。

今後の展開はどうなるでしょうか。ポイントの一つは、1月17日(24,115円)から3月19日(16,358円)までの大きな下落の半値戻しとなる20,236円を超えられるかどうかです。

4月30日には一時、20,365円まで上昇しましたが、すぐに下がってしまいました。まずは心理的節目となる2万円、そして、この半値戻しを達成すれば、「半値戻しは全値戻し」への期待も高まります。

ただし、2万円前後は過去に売買が積み上がっているところでもあり、抜けるのには時間がかかるかもしれません。その分、抜けてしまうと強いサポートラインとなります。

75日移動平均線がローソク足の実体に近づいており、20,500円あたりでクロスしそうです。75日線も回復できれば、上目線になる投資家も増えてくるでしょう。25日線も上昇しており、チャートの形は悪くありません。

逆にここから上値を抑えられ、調整するとすれば、下値メドは4月3日の安値(17,646円)になります。ただし、ここを割り込むまでは短期的な上昇トレンドは維持されますので、押し目買いの好機になります。

下原 一晃