新型コロナによる緊急事態宣言で外出自粛が続いています。感染拡大防止は大切なことですが、それゆえに働くことができなくなった人、逆に生活用品の販売のために残業時間の上限を超えてまで働かざるをえない人もいるようです。今回は新型コロナの影響を受けたという人たちに話を聞いてみました。
このままでは大学をやめないといけない
「このままでは大学を続けられない」と嘆くのは、大学2年生のAさんです。Aさんは東海地方のある県から東京の大学へ進学、同時に奨学金を借りました。両親の経済状況も考慮し、自分自身で一人暮らしの費用と学費を賄っていたのです。しかし、外出自粛のために生活費が稼げなくなってしまいました。
「時給が高いコールセンターと深夜まで入れる飲食店のアルバイトを掛け持ちしていた。けれど、飲食店は営業を一時停止、コールセンターは従業員数を減らして稼働している」のだそう。
「コールセンターは自宅にインターネット環境があって、ウイルス対策ソフトが入っているパソコンを持っていればリモートワークでも働けるようになりつつある。でも、私の家にはレポートを書くための安いパソコンしかないからウイルス対策ソフトなんて入っていない。ネット回線もない」と落ち込んだ声で話していました。
さらに「人を減らして営業しているので、自力で幅広い対応ができる人を優先的にシフトに入れている状態。でも、自分は仕事を始めて3カ月くらいで、やっと初歩的な応対ができるようになったばかり。会社の状況も理解できるからシフトに入れてくれともいえない」とのこと。
そのため、毎月の奨学金8万円と、週1~2回シフトに入れる分の月3万円のアルバイト代でしのがなければならないと言います。しかし、家賃4万円のほか、生活費や学費のやりくりはどう考えても厳しく、「両親もコロナの影響で収入が減っているというし、今はもう大学をやめて実家に帰るしかないかと思っている」と話していました。