「語彙力」は意外なほど見落とされがちなスキルです。しかし、語彙力は日常的に生活をする上で、もっとも多く使用するスキルの一つで、語彙力を高めなければ思わぬトラブルや、ストレスの元凶になっているものなのです。
特にビジネス社会を生きていく上では、語彙力は専門的なスキル以上に重要と言えます。なぜなら、どれだけ卓越した能力を持っていても、ビジネスコミュニケーションが円滑にこなせなければ、同僚や上司とのチームプレイの歯車がうまく噛み合わず、せっかくの専門的なスキルも活用しきれないからです。
語彙力が低いことの大きなデメリットを取り上げます。
語彙力が低いと暴力的になる
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 代表理事・安藤氏によると、「最近の若者がすぐに怒りを爆発させやすいのは、語彙(ボキャブラリー)が貧困だから」という見解を述べています(※1)。
「怒り」を相手に訴えてしっかりと理解を得るには、国語力が必要です。
・自分が怒りを感じている理由
・理不尽な状況
・なぜ相手は怒りを理解する必要があるのか?
こうした要素を客観性を持って伝えることは、簡単ではありません。
同氏は「語彙が豊富でない若者が怒りを訴える際は”うざい””キレる”くらいしかない」といいます。相手に「自分は腹を立てている」という感情しか伝えられないのでは、相手から共感や理解を得ることが出来ないのは明白です。
怒りの元凶となっているのは「自分はこうしたい」という理想と、「実際は理想通りではない」という現実とのギャップによるもので、そのギャップを埋める必要性を相手に理解させるには語彙力は必須なのです。