②銀行印
銀行印は、会社の口座を開設するときに金融機関に届け出るための印鑑です。窓口で振込をするときや、何らかの変更手続きをするときなどです。
個人でも金融機関との取引の際には届け出印を押さなくてはなりませんが、会社でも同様です。形は代表者印と似ていますが、中央の文字が「銀行之印」となっているものが大半です。
あまり知られていませんが、実は、代表印を銀行印として代用することも可能です。ただ、代表者印と銀行印に同じものを使用するのはオススメしません。
その理由は2つ。まず、会社が大きくなって出納担当者を置くようになったときなどに、金融機関で振込手続きをする際に、同じ印鑑だと毎回代表者印(=会社実印)を預けることとなり、経営管理上、大いに問題があります。
また、印鑑を破損した場合や、万が一失くしてしまった場合、法務局と金融機関の両方に印鑑の変更手続きを取らなければならなくなり、リスク管理上も問題があります。
③角印
角印は、別名「飾り印」ともいわれるものです。個人の認印と同様に、「普段使い」をする印鑑だと考えましょう。たとえば、見積書や請求書、簡単な申込書など多くの場面で使用されます。3本の中では最も使用頻度が高い印鑑です。
最近は角印の画像データを作成できるウェブサービスも出ていますので、毎月発行する請求書や定型のテンプレートがある書類などにはあらかじめデータ化して使用するものひとつの方法です。
おわりに
会社経営では、上記の3つの印鑑が重要な役割を果たすことになります。会社設立をする際には3本セットで発注するのが一般的です。また、住所・会社名などが入ったゴム印や組み合わせ印なども必要になります。
ただし、新型コロナウイルス感染症がきっかけとなったテレワークの広がりが、今後はハンコ社会を大きく変える可能性もありそうです。
中野 裕哲