新型コロナウイルス対策としてテレワークが推進されていますが、日本の「ハンコ社会」がひとつの壁になっているともいわれます。日本では会社を経営していると見積書や請求書、契約書など、さまざまな書類に会社のハンコを押す機会、習慣があるためです。

安倍首相も22日、政府のIT総合戦略本部の会合で「民間の経済活動で紙や押印を前提とした業務慣行を改めるよう、全面的に点検してほしい」と閣僚らに指示したと報道されています。

では会社の印鑑とは何なのか、その種類とそれぞれの役割についてみていきましょう。

会社経営では主に3種類の印鑑を使う

日本での会社経営には、主に、代表者印、銀行印、角印の3本を使います。それぞれの役割はどのようなものでしょうか。

①代表者印

代表者印は、会社設立の登記を申請する際に法務局に届け出る印鑑です。いわゆる会社の実印です。私たち個人が市区町村の役場で個人の印鑑を実印として登録することと似ています。

違いとしては、個人の実印は通常は氏名、またはそのどちらかが印面に記載されますが、会社の代表者印には社長の個人名は入りません。これは、代表者印は代々受け継がれていくことが想定されているからです。

使用する場面としては、契約書など社長自らが決裁するような重要書類に押印するとき、登記の変更手続きをするときなどです。個人の実印同様、社長本人が押印すべき重要な印鑑です。常に金庫に入れておくなど、厳重に保管するべきものです。