テレワークの費用にはどんなものがあり、誰が負担するべき?

そこで考えないといけないことは何なのか。いの一番に、テレワークの費用を誰がどう負担するかです。お金の問題です。

出勤するなという会社命令ですから、自宅で仕事をするのは構わないとしましょう。ただ、自宅で働くといってもタダではありません。なぜなら、下記のような費用が発生するからです(参考:厚生労働省「テレワーク導入ための労務管理等Q&A集」17ページ)。

  1. 情報通信機器費用(パソコン、周辺機器、スマートフォン等)
  2. 通信回線費用(WiFi、電話代)
  3. 文具、備品、宅配便費用等
  4. 水道光熱費

フル・テレワークなら、新規機材導入設定等費用で少なくとも当初30〜40万円、月当たりのランニングコストは2〜3万円といったところでしょうか。仮に大企業で100人をテレワーク対応させるとすれば、導入コストで3〜4千万円、ランニングコスト月200〜300万円程度。年換算すると、ざっと1億円弱くらいでしょうね。

もちろん、通勤させて交通費を支払い、オフィスを提供するコストと比べてどちらが経済的かという議論はあります。しかしながら、テレワーク完全移行ならまだしも、少なくとも当面は二重払いですから、もし会社が全て負担するとしたら、正直かなり痛いのではないでしょうか。

しかし、大事な費用が見落とされています。それは家賃です。自宅所有の社員がスペースの一部を会社の仕事用に拠出しているとすれば、会社は上記の費用に加え当該スペースの賃貸料を払ってしかるべきです。実はこれが一番大きいコストになるはずです。

完全テレワークであればその社員が動く範囲は仕事用(会社用)ですから、会社は職務使用スペースに応じた家賃を負担すべきと考えます。ここは上記の諸費用と同じはずなのですが、不思議なことに厚労省のマニュアルで賃料には一言も触れられてはいません。

筆者は法人形式で仕事を運営していますので、かかる法人は個人である筆者に家賃を払っています。筆者個人から見れば、その法人に対する不動産賃貸ということになりますので、給与と合算して諸経費を確定申告するということになります。